当院では、最短最善で治療をしていく為に、鍼灸治療を行っています。東洋医学からアプローチをすることで、体内から免疫力を上げていく為です。
WHOが認める鍼灸適用疾患には、呼吸器系疾患で「風邪または予防」が記載されています。数本の鍼で頭部へ刺激すると免疫の数値が上がり、継続することにより免疫力が上がって感染症などの予防が期待できると言われています。
東洋医学的に免疫機能に相当すると考えられるものは「正気」です。正気の中でも「衛気」が外からの刺激に対する防衛に働く気とされています。また、外からのよくないものは「邪気」とされており、邪気で調子が悪くなったものを外感としています。体を守る衛気は五臓の中でも特に「肺・脾・腎」と深い関係があります。「肺」は呼吸器系の他にも、体温調節や体液の代謝を司り、衛気のバリアを全身に張り巡らせる働きがあります。「脾」は消化器系を司り、食べたものから栄養を吸収してエネルギーに変換し、衛気もここから生み出されています。「腎」には生み出されたエネルギーを貯蔵する働きがあります。
衛気を強くするには?
「脾」で生み出された衛気を強くするには、胃腸の働きを整えて質のいい衛気をつくることと、「肺」で丈夫な衛気を全身に張り巡らせるということになります。「脾」の機能が低下していると、下痢がしやすくなったり、食欲がない、おなかが貼りやすいなどの症状が出ることがあります。「脾」を強くするには、大豆食品、かぼちゃ、とうもろこし、山芋、しそ、山椒、ショウガなどが効果的です。「肺」を強くするには、白きくらげ、白ごま、キノコ類、ダイコン、ネギ、白菜、はちみつ、豆乳などが効果的です。「腎」の機能が低下すると、疲れやすい、アレルギーがある、足腰が弱い、耳鳴り・難聴などの症状が出ることがあります。強くするには、山芋、黒ゴマ、くるみ、えび、にらなどが効果的です。体の中から「脾」、「肺」、「腎」の3つを強くしていく事で衛気を強くすることが出来ます。
簡単に衛気を高めるツボは?
「肺」の経絡を使って、衛気を全身に張り巡らせるようにしていきます。
①合谷(ごうこく)・・・免疫力アップさせる重要なツボで、「肺」とは密接な関係にあり、寒熱のいずれにも抑制作用があると共に、体の元気を高める作用もあるため、それによって外邪を撥ね返す効果が期待できます。
②列缺(れっけつ)・・・脾胃ともつながり、咳止めの効果があります。肺と大腸の経絡は表裏関係があるため、このツボを刺激することで、表裏ともに調整することになり、正気を補助し外邪を追い払います。
③尺沢(しゃくたく)・・・このツボを刺激することで腎を補い、水分代謝とバランスを調整し、痰を除き咳を鎮める効果があります。肺経上にある腎に関するツボを通じて各臓器の間の機能を整えることが出来ます。