自然治癒力とは、「人間・動物など生まれながらにして持っているケガや病気を治す力や機能」。手術や薬物投与などをしなくても治る機能の事を言います。昔から「手当て」といい、手を患部に当てるだけで症状が治まってしまうなどからあるように、これは人間がもつ自然治癒力のおかげと言えます。
痛みなどの強いストレスを感じた時、脳下垂体からエンドルフィンという物質が分泌されます。このエンドルフィンには、麻薬のモルヒネと同じ作用、つまり痛みや不安を和らげる力があります。例えば出産なども、分娩の前からエンドルフィンの活性は高まりはじめ、分娩の時には通常の6倍にも達すると言われています。出産のストレスと痛みに対応するために体は自らエンドルフィンという麻薬を作り出しているのです。
ケガをした時、傷が化膿して膿が出ることがあります。膿は侵入しようとする細菌を防ぐ為に白血球が戦った跡なのです。白血球のような食細胞は、体内に入り込もうとする細菌を食べることで病気の感染を防いでいます。このような抵抗力も人間の持つ自然治癒力の一つだと言えます。
「自然治癒力」を高めていく為に必要なことは?
〇ストレスを溜め込まないこと
免疫と自律神経は深く関係しています。呼吸や血液循環、消化などの生命を維持するうえで重要な働きを担っている自律神経が乱れると免疫のバランスも崩れて、免疫力の低下につながります。
〇睡眠をしっかりとること
睡眠時は体がリラックスする為、免疫力アップにつながります。
〇身体を冷やさないこと
平均体温が1℃下がると、免疫力が約35%さがると言われています。逆に体温が1℃上がると、免疫力が60%も活性化すると言われています。風邪をひいたときに熱が上がるのも免疫力を高めようとする防衛反応だと言われています。
どれも鍼灸治療で対応できます。自律神経を整えるツボを使い鍼やお灸で刺激し、吸い玉などを使ってバランスを整える、体を深部から刺激することで自然治癒力を高めることにつながります。