病院でのバイタルチェックなど、体調のバロメーターとしても知られている体温ですが、実は正しく知らない方も多いのではないでしょうか?
人の体温は変わらないの?
気温が暑くなれば手足や顔が赤くなり、汗をかきます。また、寒くなれば手足が冷たくなったり、ふるえたりします。
体が赤くなることで毛細血管が広がり、体内の熱を逃がしやすい状態になり、汗をかくことで体温を調節しています。また、寒くなると血管が縮むことで冷たくなり、体をふるわすことで筋肉を伸縮させ、体温を上げるように調節しています。
私たちの体は、こうして体温を一定に保つようにいつもコントロールしているのです。
体温を測る場所はどこがいいの?
体温は体の中心に近づくほど安定しています。体の末端や表面の温度は、季節や環境温の影響を強く受けます。一方、体の中心部に近いところの温度は、脳や心臓など大切な臓器の働きを保つために高く安定しています。この安定した体温を測ることが出来ればいいのですが、体の内部の温度なので日常的には測れません。
体に負担をかけずに簡単に検温できる場所として、わき、口、耳、直腸などの体の行面に近い場所が用いられています。測定する場所ごとに、必要な時間や方法が異なるため、得られる温度も異なります。平熱も部位により違う為、それぞれの平熱を知る必要があります。
場所ごとの測定にかかる時間
耳・・・約1秒
口・・・約5分
わき・・・約10分
直腸・・・約5分
平熱と発熱
人によって平熱は違うことがあります。日本人の7割くらいは体温が36.6℃から37.2℃の間と言われています。37℃で発熱と言われる方も多いかと思いますが、実は平熱であることがおおいと言われています。
しかし、平熱が低い人は、37℃でも発熱を疑うこともあります。感染症法では、37.5℃以上を「発熱」、38℃以上を「高熱」と分類しています。
体温のリズムとは?
平熱をはかるタイミングでも体温がかわるので、平熱は一つではありません。病気でなくても、運動していなくても、体温は上がったり下がったりします。
早朝は低く、夕方には高くなるリズムがあります。これを「概日リズム」といいます。1日の差はほぼ1℃以内が正常といわれています。
ですので、時間帯を決めての検温が大事にあっていきます。1日1回の検温で平熱と考えるのは適切ではありません。上記にあるように、1日の中でも体温は変動があります。
起床時、昼食前、夕方、就寝前というように、時間を決めて測ることが望ましいです。高齢者の場合は気温による影響を受けやすいので、季節による違いも平均をとっておくといいでしょう。