簡単に骨盤矯正と言っても、いろいろな方法がありますし、いろいろな目的があります。
今回は、産後の骨盤矯正についてのお話をさせていただきます。
産後は骨盤が緩みやすい状態にあります。それはなぜか?
その原因としては、ホルモンの影響や姿勢の関係、分娩などが関与しています。
①ホルモンの影響
妊娠中には、リラキシンというホルモンが体内に分泌します。特に妊娠後期から出産にかけてよく働く物質です。出産をスムーズに行う為に産道を確保しますが、それによって骨盤の靭帯や関節が緩む事で骨盤が歪みやすくなります。
②姿勢
妊娠中の人は、お腹の中に赤ちゃんがいる為にお腹が前に張り出すような反り腰姿勢になります。この状態だと骨盤が前側に傾き、骨盤が歪んでいきます。また、妊娠による骨盤の歪みは背骨にも負担が加わり、腰の痛みにも繋がりやすいので要注意です。
③分娩
出産では、一時的に骨盤が大きく広がります。大きく広がる事で、骨盤内にある靭帯や筋肉などが緩み、骨盤が左右に開いてしまいます。
よく、「骨盤が開く」と言いますが、実際にはどのように開くのかご存知でしょうか?
出産の時は、扉のように前方が開くのではなく、ふすまのように左右に開くのです。全体が左右に開く事で産道を大きく確保でき、お腹の中にいる赤ちゃんを無事外の世界へ出す事が出来るようになっているのです。
しかし、産後すぐに骨盤の矯正をすることはなく、一定期間は安静にする事が必要です。
いつから矯正が可能なのか?ですが、少なくとも1カ月検診を終了してからになります。産後1カ月は、子宮や膣から出る分泌物であるオロがでるなど、分娩の影響が体に残っている期間なので、無理は禁物です。
開いた骨盤は約4カ月程度で徐々に元の位置に戻っていくのが一般的です。しかし、長い人は約6か月もの間開きっぱなしと言う方もおられます。この時、妊娠期間中に低下した筋力や柔軟性が一緒に元に戻るわけではないので、正しい骨盤の位置に戻らない事も多いんです。
正しい位置に骨盤を戻して、正しい位置を維持するためにも、当院では、骨盤矯正とストレッチやトレーニングを併用していく事が望ましいと考えます。
そこで!簡単なトレーニングをストレッチをご紹介します!
①姿勢を維持する筋肉のトレーニング
やはり、姿勢を維持するために大切なのは、体幹と言われる腹筋や背筋です。まず、仰向けで寝ている状態で、お尻の穴を締めるイメージでお尻に力を入れます。そのイメージが出来るようになれば、後は簡単です。仰向けで両膝を立てます。お尻の穴を締めるイメージでお尻を持ち上げます。その時に、お尻の筋肉とお腹の筋肉を意識して下さい。骨盤周りの筋肉が刺激され、低下した筋力を鍛える事が出来ます。また、腹圧を高める事もできるので、腰痛の予防や改善のトレーニングにもなります。ポイントとしては、使っている筋肉を意識する事と、お尻を上げる高さです。お尻を上げる高さは、立てた膝が90度になるまでお尻を上げる事が理想的です。膝~太もも、お腹までが一直線になる事です。
②骨盤周りのストレッチ
体の前面と後面をストレッチする必要があります。仰向けで寝て、体を捻ったり、丸くする事で体の後面を伸ばす事が出来ます。前面のストレッチは、片方は膝立ち、もう片方は膝を立てて、足を前後に開いた形になります。膝を立てている方に体を後ろに反らしながら傾けていきます。膝立ちをしている方の太もも前面~腹筋までをストレッチする事が出来ます。
ストレッチをして体の固まった筋肉を柔らかくし、柔軟性を持って鍛える事で、効率的に筋力をアップさせる事が出来ます。
正しい位置に矯正し、正しい位置にある骨盤を維持する事で、太りにくく、痩せやすい体作りに繋がるのではないでしょうか?内臓の位置が正しい位置に無いという事は、消化不良になり、太りやすい体になってしまいます。
また、大切な事を伝え忘れていました。骨盤が開きっぱなしと言う事は、お尻が横に大きくなってしまうのです。
そのお尻の大きさでお悩みの患者様、骨盤を締める事でヒップアップする事ができます!なにか起こっている事には必ず原因と結果があるのです。
当院では、どんな小さな悩みでもお待ちしています。お気軽にご相談ください。