肩の痛みと一言で言っても、沢山の症状があり、その人によって痛む場所も変わってきます。特に、肩には沢山の関節があります。
よく痛む関節
①肩甲上腕関節
いわゆる肩関節。肩甲骨と上腕骨からなら関節で、人体の中でも最も多方向に幅広く動く関節でもあります。骨と骨のつなぎ目に、関節包という袋と腱板(けんばん)という筋肉があり、その関節包や筋肉の痛みが大きな部分を占めます。
②肩鎖関節
肩甲骨の屋根にあたる肩峰(けんぽう)と鎖骨の先端とからなる関節で、肩の痛みで見落としがちになる部分でもあります。肩甲上腕関節よりも動きは少ないですが、肩の動きで支点になる部分なので、動きが少ない分力の逃げ場がないので、負担がかかりやすい場所の一つと言えます。
③肩峰下滑液包炎
肩峰と腱板の間にあるスペースであり、クッションのような役割りをしています。腱板の炎症がある場合は、少なからず滑液包にも炎症がある事が多く、肩の注射などはこの部分にする事が多いです。
傷みやすい部分としてこのような部位がありますが、もっとたくさんの関節があります。複雑で多様な部位なので、たくさんの関節の中から、どこが傷んでいるかを特定する事が重要になります。痛みが出る事が多いといわれています。
傷む場所は?
肩関節の周囲の痛みとしては、肩甲上腕関節が原因の事があり、関節包と腱板がキーポイントとなります。関節包が炎症を起こす事で「五十肩」「凍結肩」などといわれることが多いです。さらに、肩の前側に痛みがある場合は、上腕二頭筋長頭腱炎が疑われます。上腕二頭筋というのは力こぶの筋肉ですが、長頭と呼ばれる筋肉の腱が関節の中に入り込むようになっていて、そこでの炎症がおこりやすいと考えられています。
また、肩関節は幅広く多く動く関節なので、不安定になりやすいということがあります。その為、脱臼や不安定な状態で肩を使っている為に痛みが出ているい事が多くあります。
肩の上の痛みとは、肩鎖関節の痛みを示している事が多いです。関節の動きが少ない部分でもあるので、大きな動きでの負担がかかりやすい部分でもあるので、注意が必要です。脱臼や骨折なども起こりやすい部分ですので、肩の動きとして水平内転という動きにより負担がかかります。水平内転とは、腕を胸の前を通して逆側の肩を触るような動きになります。肩鎖関節の圧力が高まると考えられており、その動きにより痛みが誘発される事が多くあります。
年齢の変化も大きなポイントです。どうしても身体というのは経年変化起こしていきます。特に肩関節は大きく動く関節なので、広い可動域の代わりに安定性を失っている関節ともいえます。関節周囲の組織に問題が起こりやすくなっていきます。関節包や腱板というインナーマッスルが障害を受けやすいということになります。
40~50歳代
年齢的に耐久性が衰えてきたなかで、肩の関節はまだまだ使う・・そんなご年齢なのではないかと考えます。靭帯や関節包が固まり始めているなかで、ストレッチや運動が大事な時です。
60歳以上
より肩の耐久性が落ちてきているので、五十肩などより多くなってくるのが「腱板損傷」です。動きが悪く、痛みを伴うので五十肩と思って来られる方も多いのですが、精密に検査をすると腱板を損傷していると言う事が多いです。
重労働やスポーツでのオーバーユース、使い過ぎによる肩の痛みも多くあります。動かす時の姿勢や動かし方でも肩に掛かる負担は変わりますので、お気軽にご相談ください。