肩の痛みと一言で言っても、いろんな原因が存在します。例えば、首が原因で肩に痛みが出たり、腰が原因で肩に痛みが出たりします。しかし、その中でも訴える方が多いのが、肩甲骨からくる痛みです。
肩甲骨の周りには多くの筋肉がついており、腕の動きや首の動きにとても重要な働きを担っています。
首に関係する筋肉とは?
首から肩甲骨についている筋肉とは、多くは上を向くときに働く筋肉です。しかし、下をずっと向いていると、頭の重みを支える為にずっと緊張していることにもなりますので、前後の動きに関わるといってもいいかもしれません。
首と肩甲骨に関わる筋肉をご紹介します。
〇頭板状筋・・・頚部の伸展、側屈、回旋
〇肩甲挙筋・・・肩をすくめる
〇僧帽筋・・・肩をすくめる、肩甲骨を内側によせる
腕に関係する筋肉とは?
腕を動かすときにも肩甲骨は関係しています。特に重要なのは、「肩甲上腕リズム」といい、簡単にいうと、腕が上がると肩甲骨も一緒に動いていくというものです。正常ならば2:1のリズムと言われているのですが、このリズムが崩れると、肩や腕の痛みに繋がる原因ともなります。
〇三角筋・・・腕を前・外側・後ろにあげる
〇烏口腕筋・・・腕を前にあげて反対の肩を触る動き
〇広背筋・・・腕を後ろにまわす
〇大円筋・・・腕を後ろにまわす
〇棘上筋・・・腕を外側にあげる
〇棘下筋・・・腕を後ろにまわす
〇小円筋・・・腕を後ろにまわす
〇肩甲下筋・・・腕を前にまわす
〇上腕二頭筋・・・肘を曲げる
〇上腕三頭筋・・・肘を伸ばす
以上が、腕と肩甲骨を繋いでいる筋肉となります。
首や腕から肩甲骨への筋肉を傷めたり、硬くなったり、弱くなったりすると、肩の痛みに繋がることが多いのです。
肩の痛みがあり、その痛い部分だけを治療するのではなく、首や腕を治療することも大切になってきます。「木を見て森を見ず」ではありませんが、根本治療を目指す我々は、とても辛く感じている症状を改善するために、それに関わるすべての筋肉をチェックする必要があります。
腕や首の筋肉のセルフケア
肩の痛みを改善するためのストレッチやトレーニングをご自分でも行うことで、より早い改善が期待できます。施術などにより改善してきた状態を維持、改善に繋げていく為に重要な要素となります。
また、上記に挙げた筋肉については、大きな動作を行うアウターマッスルという外側の筋肉ではなく、インナーマッスルという深部の筋肉が多くあります。その筋肉をストレッチ、トレーニングすることで肩の痛みを軽減することに繋がっていきます。
基本的なこととして言えるのは、「重い負荷」ではなく、「軽い負荷」でトレーニングを行うことです。
動きはじめや、位置を維持する筋肉として使われるものなので、インナーマッスルへのアプローチを行うことで肩の改善を見込めます。
そのために、当院では電気治療や運動療法を始まりとして、鍼灸治療で深部へのアプローチを行っています。