あなたの肩の痛みはどれですか?
2018.09.29
肩が痛くて上がらない、夜も眠れないほどの痛み、腕の置き場所に困る・・・
一口に肩の痛みといっても、いろいろな種類がある事をご存知でしょうか?種類によって治療法も変わります。まずは、症状からチェックし、ご自分の症状を知ることから始めていきましょう!
①腱板損傷(けんばんそんしょう)
腱板とは、腕を上げる運動や腕を内外に回す運動をする時に重要な役割を果たす筋肉で、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つからなります。最も痛みやすいのが棘上筋です。
腱板損傷は、若年者から高齢者まで広い世代に見られ、明らかな外傷によるものや日常生活動作のなかで損傷や断裂が起きる場合もあります。腱板は、肩峰(けんぽう)と上腕骨頭に挟まれている為、小さな力でも損傷しやすいのです。腕を高く上げる動作を繰り返すと、上腕骨の上端と肩甲骨上部で腱板筋を挟み込む事で炎症や腫れを起こし、腱が弱くなり断裂する事があります。
症状としては、肩を動かすと痛く、特に方を挙げる時に強い痛みを感じます。また、五十肩と同様に夜間痛を伴う事もあります。
検査法として、腕を外側に挙げる事で可動域と痛みを診るペインフルアーク、腕を外側に挙げた状態を維持する事が出来るかを診るドロップアームなどがありますが、MRIや超音波検査で腱板部の断裂の大きさや腱板の厚さを確認し、五十肩との区別をしていきます。
断裂や症状の状態によっては、手術で断裂している部分を縫合する事もあります。しかし、断裂部分が小さかったり部分的な場合は、運動療法などで痛みが取れる事も多いです。
②肩関節唇損傷(かたかんせつしんそんしょう)
関節唇は関節窩の縁にあり、肩関節の安定性を高めると同時に、さまざまな衝撃から守るクッションの役割を果たしています。スポーツ動作や肩関節脱臼等が原因で損傷する事があります。
関節唇が損傷すると、野球の投球など肩を使うスポーツや動作の時に、肩の深い部分に痛みを感じます。症状が悪化していくと、痛みのあるクリック音またはゴツンという鈍い音や、肩にひっかかる間隔が生じる事があります。
MRIやCTで診断をおこないます。運動療法や物理療法から始まり、症状や程度によっては手術を検討する場合もあります。
③肩関節周囲炎(五十肩)
40~60歳代に発症し、50歳代に多いことから五十肩と呼ばれています。肩関節の周囲組織の炎症が主な原因で、肩を動かす事で痛みが発生し、夜間痛(夜中や朝方に痛みで目が覚めるなど)という症状が特徴的です。頭の後ろで手を組む動作(結髪動作)、腰の後ろで手を組む動作(結帯動作)が困難になる事も代表的な症状です。
放っておいても治ると言う事で、痛みを我慢している方多いですが、運動療法や物理療法で改善がみられています。レントゲンやMRIなどでも特徴的な所見が指摘される事は少ないです。五十肩以外の病気ではないかなどの鑑別診断に役立てる目的が多いです。
④肩こり
肩こりは病名ではありません。肩こりは乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まって起こる症状で、不自然な姿勢を長時間続けたり、過度なストレスなどにより引き起こされます。それらが原因で肩の筋肉が緊張すると血液の流れが悪くなり、疲労物質がたまり、肩がこわばります。
頭痛や腹痛と一緒で、自覚症状の一つです。頭痛や腹痛は他人から見てわからないように、肩こりも他人から見てはわからず、自分で自覚する物なので、肩こりになったことがないと言う方も当然存在します。
肩こりを感じている方は、原因を探り、その原因を治療していかない限り解消されない事が多いです。
当院では、身体にかかる負担を分析し、その根本から治療していく事をモットーにしています。ぜひご自分の体を知ることから始めましょう!
高齢者の方に元気に過ごしてもらう為に!
2018.09.28
当院では、ご高齢者の患者様が多く通院されています。原因は様々ですが、老化は下半身から始まると言われています。痛みは不安はもちろんですが、多くの方々が不安に思う事は、歩行中の転倒です。
ご高齢の方の転倒は、年間に5人に1人は経験していると言われています。一度転倒していしまうと、外出する事に恐怖心を覚えたり、家に閉じこもってしまう事もあります。そのため、転倒の予防は重要ですが、原因や対策方法が分からない方も多いのではないでしょうか?
転倒の予防が重要視されている理由としては、介護が必要になった原因の多くが「転倒・骨折」である事が挙げられます。こんなにも多くの方が転倒して、もしも骨折などの外傷をおってしまったら、超高齢化を迎える日本の医療・介護が破たんしてしまいます。65歳以上の方の人口は3471万人(2017総務省統計局の発表)で、日本の人口の約30%にもなります。2025年に向けて高齢化率が高まる中で、いつまでも元気に生活していただけるように、平均寿命を延ばすだけでなく、健康寿命を延ばしていく取り組みが重要となるわけです。
転倒しやすい場所はどのようになっているのか?「庭」が最も多く、次いで「居間・茶の間・リビング」、「玄関・ホール・ポーチ」「階段」「寝室」となっています。屋外での転倒が多いように思われますが、全体を見てみると「室内」での転倒の方が多い事がわえかります。また、滑りやすいお風呂や、つまづきやすい階段などが転倒も起こりやすいのではと思っていましたが、実は日常よく過ごしている「居間・茶の間・リビング」が多い事がわかります。
このことから、ご自身で意識的に注意している場所よりも、無意識に生活している場所の方が足元に注意が払えず、躓く事が多くなっているのではないかと考えられます。つまり、ご高齢者の方への注意喚起は、屋内の中でも特に「居間・茶の間・リビング」で足元に注意するように声かけをしていくことが重要です。
原因にも、「内因性」と「外因性」とに分ける事ができます。
「内因性」身体的特徴に関連する能力または疾病・疾患、薬剤などがあります。
①認知障害・・・注意機能低下などの影響により転倒など
②視力障害・・・白内障などの視力低下によりつまづき・転倒など
③感覚障害・・・足の裏の感覚障害により転倒など
④筋力低下・・・太もも、お尻などの筋力低下によりつまづき・転倒など
⑤バランス能力低下・・・歩行時のふらつき転倒など
⑥二重課題遂行能力の低下
⑦低栄養・・・低ビタミンD欠乏などによるサルコペニアの影響で転倒
⑧薬剤性・・・眠剤の服用によるふらつき・転倒
⑨めまい、起立性低血圧・・・ふらつきによる転倒など
「外因性」床や手すり、段差、部屋の明るさなどの環境に起因すrものがあります。
①床・・・絨毯やコードに引っかかるなどのつまづき・転倒など
②段差・・・玄関の上がり、敷居の段差につまずき・てんとうなど
③明るさ・・・夜間に部屋が暗く転倒など
④ベッド柵・・・ベッドからの立ち上がり時に転倒・転落など
⑤衣類・・・畳の上で靴下が滑り転倒など
では、どんな体操が転倒予防に効果的なのか?
転倒予防には足首のストレッチが有効です!椅子に座ったままでつま先を軸にして大きく足首を回します。足の裏→足の小指側→足の甲→足の親指側が順番に床につくように回します。逆も行い、10回×3セットを目安に行いましょう。
また、足の指を鍛える事でもつまづきや転倒を予防する事ができます。タオルギャザーと呼ばれる体操で、立ったままでも座ったままでも行えます。足元にタオルを敷いて、足の指の力で手前に手繰り寄せます。反対の足も同様に行います。10回×5セットを目安に行います。
筋力・バランス・ストレッチ・持久力・ステッピング・スクエア・歩行などもありますが、やはり筋力が結果が見えにくい物なので、継続して行う事がとても重要です!
長く元気でいるためには・・・
2018.09.26
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
日本は世界にかきがけて高齢社会を迎え、平均寿命は約80歳になっています。これに伴い運動器の障害も増えてきています。入院して治療が必要となる運動器障害は50歳以降に多く発生しています。このことは、多くの人にとって運動器を健康に保つ事が難しい事を示しています。進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。
ロコモは筋肉・骨・関節・軟骨・椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害がおこり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。進行すると日常生活にも支障が生じてきます。いつまでも自分の足で歩き続けていくために、運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていく事が必要なのです。
まずは、簡単なテストをしてみましょう!これは、移動機能を確認するためのテストです。移動機能とは、「立つ」「歩く」「走る」「座る」など、日常生活に必要な体の移動に関わる機能の事です。
①立ち上がりテスト
このテストでは、下半身の筋力を計る事ができます。片足または両足で、決まった高さから立ち上がれるかどうかで程度を判定します。台は10cm・20cm・30cm・40cmの4段階の高さで行います。腕を組んで座り、両足の場合は肩幅まで足を開きます。床に対してすねがおよそ70度になるようにして、(浅く腰かけた状態)反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持します。片足の場合は、40cmの台から両足で立ち上がれた方のみ行います。腕を組んで浅く腰かけ、左右どちらかの足を上げます。この時上げた方の足の膝は軽く曲げます。反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持します。
片足40cmが出来た場合は、10cmずつ低い台に移り、片足ずつテストをします。左右とも片足で立ち上がれた一番低い台がテスト結果です。
ロコモ度1・・・どちらか一方の片足で40cmの高さから立ち上がれない。移動機能の低下が始まっている状態です。筋力やバランス力が落ちてきているので、トレーニングをはじめとする運動を習慣づける必要があります。十分なたんぱく質やカルシウムを含んだバランスをの取れた食事を摂るように気をつけましょう。
ロコモ度2・・・両足で20cmの高さから立ち上がれない。移動機能の低下が進行しています。自立した生活ができなくなるリスクが高くなっています。特に痛みを伴う場合は運動器疾患が発生している場合があります。
注意点→無理をしないよう、膝に痛みが起きそうな場合は中止して下さい。反動をつけると後方に転倒する恐れがあります。
②2ステップテスト
このテストでは、歩幅を測定します。同時に下半身の筋力・バランス能力・柔軟性などを含めた歩行能力が総合的に評価できます。スタートラインを決め、両足のつま先を合わせます。出来る限り大股で2歩歩き、両足をそろえます。バランスを崩した場合は失敗。2歩分の歩幅を計ります。2回行って良かった方の結果を採用します。次の計算式で2ステップ値を算出します。
『2歩幅(cm)÷身長(cm)=2ステップ値』
ロコモ度1・・・2ステップ値が1.3未満。
ロコモ度2・・・2ステップ値が1.1未満。
注意点→介助者のもと、準備運動をしてから行いましょう。バランスを崩さない範囲で、ジャンプなどはしてはいけません。
いかがだったでしょうか?最近では、高齢者をターゲットにしたトレーニング施設や、デイサービスなどでもトレーニングを行う事も増えてきました。しかし、その場所に行っている時だけのトレーニングでは、筋力の維持もそうですが、筋力アップは難しい事が多いです。
そこで、自宅でも出来るロコモトレーニングを毎日行い、バランス能力と下半身の筋力をつけていきましょう!
①片足立ち
転倒しない様に必ずつかまる物がある場所で行いましょう。姿勢をまっすぐにして、床につかない程度に片足を上げます。左右1分間ずつ、1日3回行いましょう。
②スクワット
肩幅より少し広めに足を広げて立ちます。つま先は30度くらい開きます。膝がつま先より前に出ない様に、お尻を後ろに引くように体をしずめます。スクワットが出来ない時は、椅子に腰かけて、机に手をついて立ち座りの動作を繰り返します。動作の最中は息を止めず、膝は90度以上曲げない様に注意しましょう。膝に負担がかかり過ぎてしまいます。太ももの前や後ろの筋肉に力が入っているか、意識しながらゆっくり行いましょう。
プラスアルファで行いたいトレーニングとは、
両足で立った状態で踵を上げてゆっくり下ろす「ヒールレイズ」、両足で立った状態で足をゆっくり大きく前に踏み出し、太ももが水平になるくらいに腰を深く下げる「フロントランジ」など、10~15回を2~3セット行います。
続ける事が大切なので、頑張りすぎず・無理せず・自分のペースで行いましょう!
すぐわかる冷え診断!
2018.09.22
夏から秋へと季節の変わり目でもあるこの季節・・・
一口に「冷え」といっても、その理由や原因は様々です。自分の冷えのタイプを知って対処していきましょう!
①朝、布団のなかでおなかに手を置く
起きぬけの布団に寝たままの状態で、脇の下に片方の手のひらを挟み込みます。脇の下から外したその手をおなかの上にじかに置いてみて下さい。脇の下より、おなかの方が冷たいと感じたら冷えています。起きぬけの布団の中に入った状態では、脇とおなかの温度は本来おなじであるべき。脇と比べておなかを触った時に冷たいと感じたら、それは内臓も冷えている証拠です。
②耳を折り曲げてふさぐ
場所や時間帯を問わず、自分で耳を折り曲げてみてください。痛みを感じたら冷えています。飛びあがるくらい異常な痛みを感じる人は、毛細血管まで血液が通っていない状態。つまり冷えている可能性大です。
③朝の寝相を確認する
朝起きた時に、昨晩寝ついた時と同じ場所に同じ姿勢で寝ているかどうかを確認してみましょう。同じ場所、同じ姿勢で寝ていたら冷えている可能性大です。人間は寝ながらいろいろな姿勢を取り、体のこりや疲れを取ろうとしています。体温によって布団が温められるので、その暑さから逃れるために寝る位置を変えながら眠ります。しかし、体が冷えていると、布団が温まりにくく、姿勢を変えたくて寝がえりをしても移動した場所の布団が冷たい為、また元の位置に戻ってしまうのです。
冷えの種類を分けてチェックしてみましょう!
○末端冷えタイプ
・手足が冷たく、しもやけになることもある
・手足が冷たくなかなか寝つけない
・体温は36度~36.5度前後ある
・どちらかというとやせている
・時々たちくらみがする
・冷房は苦手
・入浴はシャワーで済ませる事が多い
○下半身冷えタイプ
・ほてりを感じる事が多い
・顔や背中から汗が出る事がある
・便秘がち
・イライラしやすい
・すぐ冷房をつけたくなる
・上半身に比べて下半身が細い
・ニキビなどの肌荒れ、目の下のくまが目立つ
○内臓冷えタイプ
・下腹部をじかに手のひらで触ると冷たい
・疲れやすく、風邪をひきやすい
・皮膚がかゆい
・自覚症状は無いのに平熱が低い(35度台)
・冷房が好きで、冷たい飲み物を好んで飲む
・比較的薄着
・下痢と便秘を繰り返す
・膀胱炎にかかりやすい
・過去に過剰なダイエットをした経験がある
・入浴時、熱くて湯船に浸かっていられない
○全身冷えタイプ
・1年中寒いと感じる
・夜中にトイレに行きたくて目が覚めて熟睡できない
・疲れやすく、いつも体がだるい
・冷房が苦手で、暑くても冷たい飲み物は飲みたくない
・顔色が青白く、乾燥肌で髪の毛がパサつきがち
・ほっそりした体形で体力がないほう
・貧血、もしくは低血圧
・食欲不振ですぐ下痢をする
・運動は苦手で続かない
末端冷えタイプの方は、指先など末端部分に冷えを感じます。20~30代の女性に多く、体温は高めなので冷えの症状のなかでは最も軽度。湯船につかる、温かい食事を取るなど、冷やさない習慣を心がけていきましょう!
下半身冷えタイプの方は、下半身が冷えているのに上半身がほてる「冷えのぼせ」状態です。30半ば~更年期の女性に多く見られます。原因は主に下半身の筋肉量不足です。下半身を冷やさず、意識して体を動かす習慣づけをしていきましょう!
内臓冷えタイプの方は、冷えの自覚症状がないのに、おなかを触ると驚くほど冷たいです。内臓に血液が十分に届かず、機能が低下し胃腸のトラブルが多いです。まずは、食生活の見直しが大切。腹筋を鍛える事も効果的です。
全身冷えタイプの方は、手足も内蔵も冷え切っている最も深刻な冷え症状です。年中腹巻をする、温める食材を取る、体をうごかすなど、冷え対策のフルコースで長年蓄積した冷え体質の改善をしていきましょう!
テーピングってどんなもの?
2018.09.19
当院では、スポーツの場面はもちろんですが、あらゆる痛みや関節痛などにも効果的なテーピング療法も行っております。
2種類のテーピングをご用意しております。その中でも、キネシオテーピングについてご紹介させていただきます。
キネシオテーピングとは、筋肉と同じくらいの伸びがあり、患部を固定するのではなく、伸びすぎた、あるいは収縮しすぎた筋肉の沿って貼ります。痛みの緩和や予防はもちろんですが、筋肉の過剰な伸びを防ぐ事でけが防止に使われる事も多くあります。使用方法によっては、疲労の回復も期待できます。
詳しくどんな効果があるかと言いますと、
①痛み・凝り・内出血の改善
キネシオテープを貼ると、体内にすきまが出来てリンパ液の流れがよくなります。そのことにより、新陳代謝が良くなり、自然治癒力が高まります。貼っておくだけで、筋肉の痛みや凝り、ケガ・手術後の内出血を早く改善する事が出来ます。
②腫れや内出血を軽減する
リンパ液だけでなく、血液の流れをよくなります。血行が良くなると、酸素も栄養も体の隅々にいきわたるようになりますので、疲労の回復も早くなります。特にどこかが痛んだり腫れたりしていなくても、ちょっとだるいなという時、疲れがなかなか取れないと言う時、また、冷え症でお悩みの方にも効果的です。
③痛みを和らげる
スポーツや仕事の種類などによって、特定の筋肉を酷使する事になる場合があります。そういった筋肉は、障害が発生しやすい箇所でもあります。いわゆる職業病です。事前に貼っておくと、障害発生の予防に役立ちます。
④筋肉の疲労を早く回復する
スポーツをする時や、長時間歩くと言った時は、連続して筋肉を使用します。事前に貼っておく事で、疲労の蓄積を軽減したり、筋肉の円滑な動きをサポートします。また、運動後でもより一層の疲労回復を促します。
⑤関節の動きをよくする
筋肉(皮膚)の位置を調整する事により、ギシギシする関節の動きを改善することにも有効です。もっとひどい脱臼などでズレてしまった関節を元に戻す治療にも効果を上げています。
キネシオテープが皮膚を持ち上げる事で、皮膚とその下層の軟部組織との間に隙間ができ、その中を流れる血液やリンパ液の流れを改善していく事が大きな特徴と言えます。
スポーツの場面で見る事が多いと思いますが、スポーツ選手だけでなく、一般の方にも使用できる場面が多い事を知っておいてください。
固定に特化した、ホワイトテープというものもあります。ホワイトテープは伸縮性がほとんどなく、関節の固定に多く使われます。キネシオテープとの併用で、動かし過ぎてはいけない関節を守る事が出来ます。がっちり固定したままで長時間置いておくと、局所的な機能低下を招き、かえって障害が残る場合があります。患部の状態に合わせて、固定と伸縮の長所を組み合わせて、より早い回復を促します。
スポーツでのケガなどには、超音波両方との組み合わせも効果的です。マッサージやストレッチだけでなく、来院されている時以外の時間でも、自然治癒力を向上できるよう、テーピングを併用する事も大切ですね。
あなたの腰痛は?
2018.09.18
腰痛と一言で言っても、たくさんの種類があります。
あなたの腰痛はどうでしょうか?
○痛い
○しびれる
○だるい
○つっぱる
○じっとしていると痛い
○動かすと痛い
など
症状を並べるだけでも多様化しますが、皆さんはどれにあてはまりますか?
今回は、「腰椎分離症・すべり症」についてお話させていただきます。
どんな症状?
腰のベルトの辺りの痛みの場合と、お尻や太ももの痛みを出す場合があります。痛みは腰を後ろに反らせた時に強く出ます。腰の痛みは10~15歳ころから生じますが、青少年から高齢者まで広い範囲にわたって腰痛や下肢痛・しびれが出る事が多いです。
原因は?
多くは体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行う事で腰椎(腰の背骨)の後方部分に亀裂が入って起こります。ケガのように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰を反らしたり、回したりする事で起こります。一般の人では5%の人に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっています。分離症は10歳代で起こりますが、それが原因となって、その後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合があります。
診断は?
分離症の診断は側面や斜めのレントゲン撮影にて行います。分離すべり症では脊柱管は狭くならないのでMRIでははっきりしません。分離部分で神経根が圧迫されている事が多く、神経根ブロックで明らかにする場合もあります。
治療は?
腰の痛みや神経根圧迫によるお尻や足の痛みで日常生活や仕事に支障が生じれば、神経の圧迫を除去する手術や固定術が行われる場合があります。しかし、強い痛みや日常生活の障害がなく生活できる場合が大部分なので、腹筋や背筋を強化して、一般的な腰痛予防を心がける事が大切になります。
腰に負担の少ない腹筋の方法として、「ドローイング」があります。
ドローイングの最大の特徴としては、ちょっとした時間で出来る事です。意図的にお腹をへこませるだけなので、気がついた時に取り組むだけでも、お腹周りがスッキリしてくるのが実感できますよ。また、重量トレーニングではない為、筋力がなくても問題なく取り組めます。仰向けに寝て上半身を上げるだけが腹筋ではないということですね。
ドローイングの方法とは?
1.お腹に空気をため込むイメージで息を大きく吸う
2.1の時、姿勢は常にまっすぐをイメージして吸いこみ、肩が上がらない様にする
3.限界まで吸った後、息を止めて酸素を体内に巡らせる
4.お尻を引き締めて、身体から空気が出ないよう意識する
5.膨らませたお腹がへこむように、お腹から思い切り息を吐き出す
6.5の時、おへそを中心にへこませる事で、より効果を高める事が出来ます
7.空気を完全に吐き出したら、へこませた状態で30秒キープ
8.その後、またゆっくりと息を吸っていく
コツとしては、お腹をへこませた時に腹部の筋肉を意識する、30秒キープしている時は胸で呼吸をしてお腹のへこみをキープ、できるだけ連続してトレーニングを行う、背中を絶対に丸めない、リラックスさせた状態でトレーニングする、です!
空腹時や有酸素運動と合わせて行うなどをすると、より一層効果が期待できます。
簡単な動作で効率よく筋力アップ、続けていく事が大切なので、ぜひ、皆さんもお試しください!
2018.09.17
身近におこる頚肩腕症候群
頚部、肩周り、腕などに不快な症状が続いていませんか?
『頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)』。
文字だけ見ると、何やらスゴイ名前がついた病気!?と耳慣れないかもしれませんが、本当はあなたもそうかもしれない!というほど身近なものです。
『頚肩腕症候群』は、文字通り首や肩周り、腕に症状が表れるものなのですが、症状や程度には個人差があります。パソコンに向かいマウスを操作することが多くなり、このような症状に悩む人が増えています。パソコンに限らず、手や腕を酷使する職業や趣味を持つ人にもみられます。最近では、スマートフォンなどを使う方にもみられます。自覚症状には、次のようなものがあります。
頚肩腕症候群の自覚症状チェック
*肩こりがひどい、首、背中の筋肉が張って痛い
*手・指がしびれる
*手の力が入りにくい
*腕の筋肉が重だるい、動かすと痛む
*腕や手の冷え
*頭痛、めまい
日々のデスクワークが要因となる場合があります。
いくつあてはまりましたか?
あてはまるものが一つでもあると、広い意味では『頚肩腕症候群』の可能性ありということになります。
さらにしぼっていくと、診断名がつくことがあります。
整形外科などを受診し、疑わしい疾患の検査を受け、体のどこに問題があるのかを鑑別しなければなりません。
手や指のしびれや痛み、筋力の低下の原因を探っていきます。
検査の結果、頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症などの頚椎の疾患、腱鞘炎、胸郭出口症候群などの名称がつき、分類されるものもあります。
疾患名がつかないその他の上記のような症状は、原因のつかめない『頚肩腕症候群』として呼ばれることが多いようです。
不快な症状の改善ポイント
*心身が楽に保てるようデスクワーク、パソコンワークの環境を整える
*パソコンの作業はなるべく1時間ごとに10分程度休憩をとる
*同じ姿勢を保つことで硬くなりがちな肩甲骨周りの筋肉をほぐす
* 頭をゆっくり回して首の筋肉をストレッチ
*1日の中で好きなことで楽しむ時間やゆったりリラックスできる時間をつくる
*鍼灸・マッサージ院などで筋肉の緊張を緩和させる
そこで!腕のストレッチが効果的!
デスクワークやパソコン作業が続くと、首に負担をかけない姿勢を保つことが難しくなります。その結果、肩こりをはじめ腕、手につながる神経、血流に問題を起こしやすくなります。
首や肩周辺の筋肉をストレッチすることに注目しがちですが、それだけではなく、いつのまにか疲労している腕の筋肉にも刺激をいれてあげることが大切です。腕の筋肉の疲労度合いで、肩のこり方が変わってくるため、腕のストレッチは欠かせません!
①ゆっくりと手首を手前へ
・最初は両腕を前に出したポジションから始めます。ゆっくりと、手首だけを自分の方へ曲げていきます。
(曲げられるところまで)曲げたまま5~10秒間キープさせます。つりそうな人は短めに。この時、手首を曲げた反対側の腕の筋肉が伸ばされます。
②右手首を先ほどと反対側へ
・右手首を①とは反対側へ曲げていきます。最初のポジションでは力を入れていましたが、ここでは手首の力を抜き、左手で手首が反対側へ曲げるように押していきます。
①とは反対側の腕の筋肉が伸ばされます。5~10秒間ほどキープしましょう。
③同様に左手首も行います
・同様に左手首を行います。腕の筋肉の硬さにより、左右でつっぱりの感じ方も違うと思います。
(最初は筋肉が硬くて痛く感じるかもしれませんので、無理はしないように。)
①~③を数回繰り返してみましょう。
ストレッチの注意ポイント
肩こりがひどい人や手を使う職業の人は、腕の筋肉が予想以上に硬くて伸びにくくなっている可能性があります。急激にストレッチを加えると痛めるかもしれませんので、手首を曲げながら、腕の筋肉の硬さや痛さを確認しつつ加減して行ってください。
また、肩こりや腕の筋肉の張りなどには、運動が良いと言われますが、症状が強い場合は、筋力アップのトレーニングをすると、かえって症状が悪化することがありますので、回復するまでは注意してくださいね!