寒いと鼻水が止まらなくなるのは、体の防御反応の一つです。主な理由は以下の通りです。 1. 鼻の粘膜の防御機能 鼻は外の空気を温め、湿らせてから肺に送り込む役割を持っています。寒い空気を吸うと、鼻の粘膜がより多くの水分を分泌し、 乾燥や冷気から守ろうとします。その結果、鼻水が増えます。 2. 血管の収縮と拡張 寒い環境では、体温を保つために血管が収縮します。しかし、鼻の血管は寒さにさらされた後に反射的に拡張し、血流が増加します。 これにより、鼻の粘膜の分泌物が増え、鼻水が出ることになります。 3. 温度差による結露 寒い空気を吸うと、鼻腔内の暖かい空気と冷たい空気の温度差により、水分が結露して鼻水として出てきます。 これは、冬場にメガネが曇るのと似た現象です。 4. アレルギー反応や寒冷刺激性鼻炎 寒さが刺激となり、アレルギーに似た反応(寒冷刺激性鼻炎)が起こることもあります。特に敏感な人は、寒い場所に出ると すぐに鼻水が出やすくなります。 これらの理由から、寒いときに鼻水が止まらなくなるのです。 寒さによる鼻水は鍼灸治療で改善される可能性があります。特に、鍼灸は体のバランスを整え、鼻水の原因となる冷えや 自律神経の乱れを改善することに役立ちます。以下のようなメカニズムで効果が期待できます。 1. 冷えによる鼻水の改善 鍼灸では、冷えを改善し体温調節機能を高めることで、鼻粘膜の過剰な分泌を抑えます。特に「寒冷刺激性鼻炎」のように 寒さが原因で鼻水が出る場合、体の冷えを解消するツボを刺激することで症状の軽減が期待できます。 2. 自律神経の調整 寒さによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、鼻水が出やすくなります。鍼灸治療はこの自律神経のバランスを整え、 鼻水の過剰な分泌を抑制します。 3. 免疫力の向上 体が冷えると免疫力が低下し、鼻の粘膜が過敏になりやすくなります。鍼灸によって免疫機能を強化し、 鼻水が出にくい体質に改善することを目指します。 具体的に使われるツボ 以下のツボは、鼻水の改善に有効とされています: 迎香(げいこう) 場所 顔面の鼻唇溝の中、鼻翼外縁の中 小鼻の横 主治 鼻づまり、鼻水を緩和 顔のかゆみ、浮腫 顔面神経麻痺 効能 風邪を追い出し、体内の熱を冷ます。鼻の機能を改善し、通りをよくする。 風池(ふうち) 場所 前頸部の後頭骨の下、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間にあるくぼみ 後頭部のくぼみ 主治 頭痛、めまい、視力障害、鼻炎、難聴、不眠目のかゆみ、充血を軽減 効能 鼻の機能を改善させる。視力を回復させたりする。 合谷(ごうこく) 場所 手の甲、親指と人差し指の付け根 主治 感冒、頭痛、咽頭痛、歯痛、目の充血、難聴、意識障害、免疫調整、アレルギー症状全般に効果 効能 体内の熱を冷まし体表の邪気を取り除く。気の巡りを改善して痛みを止める。精神を安定させる。 • 足三里(あしさんり): 免疫力を高め、冷えを改善するツボ。 どのような場合に鍼灸が適している? • 慢性的な寒さによる鼻水 • 寒冷刺激性鼻炎 • 冷え性や体質改善を目指したい場合 ただし、急性の感染症(風邪やインフルエンザ)が原因の場合は、まず医療機関の受診も検討することをおすすめします。 鍼灸院を選ぶ際には、鼻炎や冷え性の改善に特化した経験を持つ施術者を探すと良いでしょう。 当院の施術一覧と料金 ご予約、お問い合わせはこちら!