花粉症とは?
花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で引き起こされるアレルギー性鼻炎の一種です。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が特徴です。春先に多く見られますが、秋にもブタクサやヨモギの花粉で発症することがあります。
主な原因となる花粉
日本では以下の花粉が花粉症の原因となります。
• 春(2月〜5月):スギ、ヒノキ
• 夏(5月〜8月):イネ科植物(カモガヤ、オオアワガエリ)
• 秋(8月〜10月):ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ
花粉症の症状
• 鼻の症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
• 目の症状:かゆみ、充血、涙目
• 喉や皮膚の症状:喉のかゆみ、咳、皮膚のかゆみ
花粉症の対策
1. 花粉を避ける
• 外出時にマスクやメガネを着用
• 花粉の多い時間帯(朝・昼)や風の強い日は外出を控える
• 帰宅時に服をはたいてから家に入る
2. 室内対策
• 窓を閉めて換気は短時間で行う
• 空気清浄機を使用する
• 洗濯物を部屋干しする
3. 治療方法
• 薬物療法:抗ヒスタミン薬、点鼻薬、目薬など
• 舌下免疫療法:スギ花粉などに対するアレルギー治療法
• 生活習慣改善:バランスの良い食事や十分な睡眠で免疫を整える
花粉症の鍼灸治療について
鍼灸(しんきゅう)治療は、花粉症の症状を和らげるための補助療法として注目されています。特に、鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなどを軽減し、免疫バランスを整える効果が期待できます。
鍼灸が花粉症に効く理由
① 自律神経の調整
花粉症は免疫の過剰反応が原因です。鍼灸は副交感神経と交感神経のバランスを整え、免疫機能を正常化することでアレルギー反応を抑えるのに役立ちます。
② 炎症を抑える
鍼(はり)や灸(きゅう)を使うことで血流を促進し、鼻粘膜の炎症を軽減。特に鼻づまりや目の充血に効果的です。
③ ツボ刺激による症状緩和
ツボを刺激することで、鼻の通りをよくし、くしゃみや鼻水を抑えることができます。
花粉症に効く代表的なツボ
ツボ
迎香(げいこう)
場所 顔面の鼻唇溝の中、鼻翼外縁の中 小鼻の横
主治 鼻づまり、鼻水を緩和 顔のかゆみ、浮腫 顔面神経麻痺
効能 風邪を追い出し、体内の熱を冷ます。鼻の機能を改善し、通りをよくする。
印堂(いんどう)
場所 前頭部で、両眉頭を結ぶ線の中心 眉間の中央
主治 頭痛 めまい 目の病気 不眠症 くしゃみ、鼻づまりを和らげる
効能 鎮静して精神を安定させる。視力を回復させたり、鼻を通す
合谷(ごうこく)
場所 手の甲、親指と人差し指の付け根
主治 感冒、頭痛、咽頭痛、歯痛、目の充血、難聴、意識障害、免疫調整、アレルギー症状全般に効果
効能 体内の熱を冷まし体表の邪気を取り除く。気の巡りを改善して痛みを止める。精神を安定させる。
風池(ふうち)
場所 前頸部の後頭骨の下、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間にあるくぼみ 後頭部のくぼみ
主治 頭痛、めまい、視力障害、鼻炎、難聴、不眠目のかゆみ、充血を軽減
効能 鼻の機能を改善させる。視力を回復させたりする。
曲池(きょくち)
場所 肘の外側のくぼみ
主治 精神不安、痛み、免疫力を高め、アレルギー反応を抑制
効能 経路の通りをよくする。風邪を取り除き、かゆみをとめる。
※これらのツボは自分で押しても効果が期待できます。
鍼灸治療の流れ
①カウンセリング
症状の程度や体質を確認し、適したツボや治療方法を決定。
②鍼(はり)治療
鼻周りや手・足のツボに鍼を刺し、5〜20分ほど置く。痛みはほとんどなく、リラックスできる。
③灸(きゅう)治療(必要に応じて)
お灸を使って血流を改善し、免疫力を高める。
④生活アドバイス
日常でできるツボ押しや、花粉症を和らげる食事・生活習慣について指導。
鍼灸治療の頻度と効果
• シーズン前(1〜2月)から始めると予防効果が高い
• 花粉症シーズン中は週1回ペースで施術を受けると症状が軽減
• 体質改善を目指す場合は3ヶ月〜半年ほど継続が推奨
鍼灸治療のメリット・デメリット
✅ メリット
• 副作用が少ない
• 体質改善ができる
• 薬に頼らず症状を和らげられる
⚠️ デメリット
• 即効性はなく、継続が必要
• 保険適用外のことが多く、費用がかかる(1回3,000〜7,000円程度)
• 施術者によって技術差がある
まとめ
鍼灸は、花粉症の症状を和らげるだけでなく、免疫バランスを整えて根本的な改善を目指す治療法です。薬に頼りたくない人や、体質改善をしたい人におすすめです。
花粉症シーズン前からのケアが効果的なので、気になる方は早めに試してみると良いですよ!