「股関節が痛い」「お尻が痛い」「太ももが痛い」など、足にトラブルを抱えている方も多いと思います。今回は、その中でも大腿骨頭軟骨下骨折についてお話しさせて頂きます。
股関節の痛みで考えられる事は?
◯変形性股関節症 ◯関節リウマチ ◯大腿骨骨頭壊死 なとがあります。
①変形性股関節症
股関節のクッションの役割となる軟骨の摩耗により、骨盤の受け皿や大腿骨頭が変形する事で生じます。中高年の女性に多く、生まれつきの股関節の形成不全などがある場合は若い年代でも起こる可能性があります。体重増加などで股関節に負荷がかかったりすると、より摩耗が進み、軟骨が減りやすくなってしまいます。太ももの痛みや付け根の痛み、膝などにも痛みやこわばりが出ることもあります。症状が進むと、その状態になると立っていることも辛く、靴下を履いたり爪を切ったりなどの事が難しくなってきます。
②関節リウマチ
関節リウマチとは、免疫の異常によって炎症起こり、腫れや激しい痛みが生じます。朝のこわばりや対称性の関節の腫れが見られ、発熱やだるさなどが現れる場合もあります。経過が長くなると、肩や膝などの大きな関節にも症状が現れることもあります。完全ではありませんが、遺伝的要因や喫煙、歯周病などとの関連性も指摘されています。
③大腿骨頭壊死
大腿骨とは足の付け根から膝までの太ももの骨で、股関節と膝関節の両方に関わる骨です。大腿骨頭壊死とは、股関節に関わる大腿骨の頭の部分の血流が途絶えて壊死した状態です。壊死した部分は生きた骨の持つ修復能力がない為、壊死の範囲が大きかったりすると形がつぶれてしまい、強い痛みを出すことがあります。
上記の状態についてとの見分けが必要になります。
大腿骨頭軟骨下骨折とは?
股関節には「関節唇」という軟骨がついており、股関節の臼蓋のふちに取り巻いて付着しているリング状の軟骨です。線維性軟骨と結合組織で出来ており、大腿骨頭を包み込んでいます。股関節の安定化や荷重分散の役割を果たしています。股関節に物理的な外傷がなくても骨粗鬆症の影響で骨折してしまう場合があります。また、ちょっとした転倒や落下、股関節に負担のかかる反復運動、突然のねじれなどが原因のこともあります。高齢者の女性に多いと言われていますが、最近では若年層にもみられることがあります。
股関節の痛みにはどんな治療をするの?
痛みによって緊張した筋肉や、痛みをかばう事によって負担がかかっている部分を見極めて施術をしていきます。炎症が強い状態などは超音波治療やテーピングでの補強・補助を行い、股関節の安静を図ります。周囲の筋緊張による膝や足首の痛みにもアプローチが必要です。強い痛みが治まってきたら鍼灸治療で筋緊張を緩和し、血流を改善することで治癒効果を高めていきます。荷重や回旋などの股関節に無理のかかる動きは状態を見て判断していきます。