足が吊るのは、どうして?
2025.03.27
足が吊る(こむら返り)原因は、主に以下のようなものがあります。
1. 筋肉の疲労
• 運動後や立ち仕事の後など、筋肉が過度に疲れると、筋肉を動かすためのエネルギー源であるATPやグリコーゲンが
すると筋肉の制御がうまくいかなくなり、痙攣(けいれん)を起こします。
2. 水分・電解質の不足
• 汗をかいたり、十分に水分を摂取しないと、体内のナトリウムやカリウム、マグネシウムなどの電解質が不足し、
筋肉が正常に機能しなくなります。
3. 血行不良
• 寒さや長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなり、筋肉への酸素供給が不足して足が吊ることがあります。
4. ミネラル・栄養不足
• カルシウムやマグネシウムが不足すると、筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れやすくなります。
5. 神経の異常
• 脊椎や神経に問題があると、足に異常な信号が送られ、筋肉が誤って収縮してしまうことがあります。
6. その他の要因
• 妊娠中や加齢、糖尿病、慢性腎臓病、脱水症状なども足が吊る原因となります。
対策・予防方法
• こまめに水分補給:特に運動中や暑い日は意識して摂るようにしましょう。
• バランスの取れた食事:カルシウム、マグネシウム、カリウムを含む食品を意識的に摂取。
• ストレッチやマッサージ:寝る前や運動後に筋肉をほぐしておくと予防になります。
• 血行促進:足湯や軽い運動で血流を良くしましょう。
もし頻繁に足が吊るようであれば、何か病気が隠れている可能性もあるため、一度医師に相談するのがおすすめです。
足がつった時に効果的なツボはいくつかあります。以下のツボを試してみてください。
1. 承山(しょうざん)
場所:ふくらはぎの中央、アキレス腱から上にたどっていき、筋肉が盛り上がる部分の頂点
主治: 腓腹筋痙攣、腰背痛、坐骨神経痛、てんかん
効果:ふくらはぎの筋肉のけいれんやこむら返りに効果的、気の巡りを改善して痛みをとめる。
押し方:親指でゆっくりと押しながら、10秒程度かけてほぐします。
お灸、鍼も効果的。
⸻
2. 湧泉(ゆうせん)
場所:足の裏、土踏まずの少し上、足の指を曲げたときにくぼむ部分
主治: めまい、足心熱(足底のほてり)、意識障害、精神不安
効果:全身の血流を促し、足のつりを和らげる、肝の異常な亢進を落ち着かせて内風を鎮める
押し方:両手の親指でゆっくりと押し込みながら5〜10秒キープし、数回繰り返します。
お灸も鍼も効果的
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3. 太谿(たいけい)
場所:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
主治 : 冷え性、難聴、めまい、糖尿病、健忘、不眠
効果:冷えやむくみの改善、筋肉の緊張を緩和、腎精を補う、陽の気を温め寒邪を追いだす
押し方:親指で優しく押しながら、円を描くようにマッサージします。
お灸、鍼も効果的
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4. 足三里(あしさんり)
場所:膝の皿の下から指4本分下がった、脛骨(すね)の外側
主治: 精神不安、胃痛、食欲不振、足の吊り
効果:足の疲れやこむら返りに有効、胃の機能を改善し、上がった気を下降させる。
押し方:両手の親指を重ね、ぐっと押し込みながらゆっくりと息を吐きます。
お灸、鍼も効果的
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対策のポイント
• 足をつる原因は、筋肉疲労、水分不足、冷えなどが多いため、普段から十分なストレッチや水分補給を
心掛けるとよいでしょう。
• ツボ押しは無理せず、痛気持ちいい程度の力で行うのがポイントです。
もし慢性的に足がつる場合や、改善が見られない場合は医師に相談するのもおすすめです。
寒いとなぜ鼻水がでるの?
2025.02.17
寒いと鼻水が止まらなくなるのは、体の防御反応の一つです。主な理由は以下の通りです。
1. 鼻の粘膜の防御機能
鼻は外の空気を温め、湿らせてから肺に送り込む役割を持っています。寒い空気を吸うと、鼻の粘膜がより多くの水分を分泌し、
乾燥や冷気から守ろうとします。その結果、鼻水が増えます。
2. 血管の収縮と拡張
寒い環境では、体温を保つために血管が収縮します。しかし、鼻の血管は寒さにさらされた後に反射的に拡張し、血流が増加します。
これにより、鼻の粘膜の分泌物が増え、鼻水が出ることになります。
3. 温度差による結露
寒い空気を吸うと、鼻腔内の暖かい空気と冷たい空気の温度差により、水分が結露して鼻水として出てきます。
これは、冬場にメガネが曇るのと似た現象です。
4. アレルギー反応や寒冷刺激性鼻炎
寒さが刺激となり、アレルギーに似た反応(寒冷刺激性鼻炎)が起こることもあります。特に敏感な人は、寒い場所に出ると
すぐに鼻水が出やすくなります。
これらの理由から、寒いときに鼻水が止まらなくなるのです。
寒さによる鼻水は鍼灸治療で改善される可能性があります。特に、鍼灸は体のバランスを整え、鼻水の原因となる冷えや
自律神経の乱れを改善することに役立ちます。以下のようなメカニズムで効果が期待できます。
1. 冷えによる鼻水の改善
鍼灸では、冷えを改善し体温調節機能を高めることで、鼻粘膜の過剰な分泌を抑えます。特に「寒冷刺激性鼻炎」のように
寒さが原因で鼻水が出る場合、体の冷えを解消するツボを刺激することで症状の軽減が期待できます。
2. 自律神経の調整
寒さによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、鼻水が出やすくなります。鍼灸治療はこの自律神経のバランスを整え、
鼻水の過剰な分泌を抑制します。
3. 免疫力の向上
体が冷えると免疫力が低下し、鼻の粘膜が過敏になりやすくなります。鍼灸によって免疫機能を強化し、
鼻水が出にくい体質に改善することを目指します。
具体的に使われるツボ
以下のツボは、鼻水の改善に有効とされています:
迎香(げいこう)
場所 顔面の鼻唇溝の中、鼻翼外縁の中 小鼻の横
主治 鼻づまり、鼻水を緩和 顔のかゆみ、浮腫 顔面神経麻痺
効能 風邪を追い出し、体内の熱を冷ます。鼻の機能を改善し、通りをよくする。
風池(ふうち)
場所 前頸部の後頭骨の下、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間にあるくぼみ 後頭部のくぼみ
主治 頭痛、めまい、視力障害、鼻炎、難聴、不眠目のかゆみ、充血を軽減
効能 鼻の機能を改善させる。視力を回復させたりする。
合谷(ごうこく)
場所 手の甲、親指と人差し指の付け根
主治 感冒、頭痛、咽頭痛、歯痛、目の充血、難聴、意識障害、免疫調整、アレルギー症状全般に効果
効能 体内の熱を冷まし体表の邪気を取り除く。気の巡りを改善して痛みを止める。精神を安定させる。
• 足三里(あしさんり): 免疫力を高め、冷えを改善するツボ。
どのような場合に鍼灸が適している?
• 慢性的な寒さによる鼻水
• 寒冷刺激性鼻炎
• 冷え性や体質改善を目指したい場合
ただし、急性の感染症(風邪やインフルエンザ)が原因の場合は、まず医療機関の受診も検討することをおすすめします。
鍼灸院を選ぶ際には、鼻炎や冷え性の改善に特化した経験を持つ施術者を探すと良いでしょう。
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薬に頼らない!花粉症対策に効果的な鍼灸治療とは?おすすめツボも紹介
2025.02.13
花粉症とは?
花粉症は、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で引き起こされるアレルギー性鼻炎の一種です。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が特徴です。春先に多く見られますが、秋にもブタクサやヨモギの花粉で発症することがあります。
主な原因となる花粉
日本では以下の花粉が花粉症の原因となります。
• 春(2月〜5月):スギ、ヒノキ
• 夏(5月〜8月):イネ科植物(カモガヤ、オオアワガエリ)
• 秋(8月〜10月):ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ
花粉症の症状
• 鼻の症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり
• 目の症状:かゆみ、充血、涙目
• 喉や皮膚の症状:喉のかゆみ、咳、皮膚のかゆみ
花粉症の対策
1. 花粉を避ける
• 外出時にマスクやメガネを着用
• 花粉の多い時間帯(朝・昼)や風の強い日は外出を控える
• 帰宅時に服をはたいてから家に入る
2. 室内対策
• 窓を閉めて換気は短時間で行う
• 空気清浄機を使用する
• 洗濯物を部屋干しする
3. 治療方法
• 薬物療法:抗ヒスタミン薬、点鼻薬、目薬など
• 舌下免疫療法:スギ花粉などに対するアレルギー治療法
• 生活習慣改善:バランスの良い食事や十分な睡眠で免疫を整える
花粉症の鍼灸治療について
鍼灸(しんきゅう)治療は、花粉症の症状を和らげるための補助療法として注目されています。特に、鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなどを軽減し、免疫バランスを整える効果が期待できます。
鍼灸が花粉症に効く理由
① 自律神経の調整
花粉症は免疫の過剰反応が原因です。鍼灸は副交感神経と交感神経のバランスを整え、免疫機能を正常化することでアレルギー反応を抑えるのに役立ちます。
② 炎症を抑える
鍼(はり)や灸(きゅう)を使うことで血流を促進し、鼻粘膜の炎症を軽減。特に鼻づまりや目の充血に効果的です。
③ ツボ刺激による症状緩和
ツボを刺激することで、鼻の通りをよくし、くしゃみや鼻水を抑えることができます。
花粉症に効く代表的なツボ
ツボ
迎香(げいこう)
場所 顔面の鼻唇溝の中、鼻翼外縁の中 小鼻の横
主治 鼻づまり、鼻水を緩和 顔のかゆみ、浮腫 顔面神経麻痺
効能 風邪を追い出し、体内の熱を冷ます。鼻の機能を改善し、通りをよくする。

印堂(いんどう)
場所 前頭部で、両眉頭を結ぶ線の中心 眉間の中央
主治 頭痛 めまい 目の病気 不眠症 くしゃみ、鼻づまりを和らげる
効能 鎮静して精神を安定させる。視力を回復させたり、鼻を通す

合谷(ごうこく)
場所 手の甲、親指と人差し指の付け根
主治 感冒、頭痛、咽頭痛、歯痛、目の充血、難聴、意識障害、免疫調整、アレルギー症状全般に効果
効能 体内の熱を冷まし体表の邪気を取り除く。気の巡りを改善して痛みを止める。精神を安定させる。

風池(ふうち)
場所 前頸部の後頭骨の下、胸鎖乳突筋と僧帽筋の起始部の間にあるくぼみ 後頭部のくぼみ
主治 頭痛、めまい、視力障害、鼻炎、難聴、不眠目のかゆみ、充血を軽減
効能 鼻の機能を改善させる。視力を回復させたりする。

曲池(きょくち)
場所 肘の外側のくぼみ
主治 精神不安、痛み、免疫力を高め、アレルギー反応を抑制
効能 経路の通りをよくする。風邪を取り除き、かゆみをとめる。

※これらのツボは自分で押しても効果が期待できます。
鍼灸治療の流れ
①カウンセリング
症状の程度や体質を確認し、適したツボや治療方法を決定。
②鍼(はり)治療
鼻周りや手・足のツボに鍼を刺し、5〜20分ほど置く。痛みはほとんどなく、リラックスできる。
③灸(きゅう)治療(必要に応じて)
お灸を使って血流を改善し、免疫力を高める。
④生活アドバイス
日常でできるツボ押しや、花粉症を和らげる食事・生活習慣について指導。
鍼灸治療の頻度と効果
• シーズン前(1〜2月)から始めると予防効果が高い
• 花粉症シーズン中は週1回ペースで施術を受けると症状が軽減
• 体質改善を目指す場合は3ヶ月〜半年ほど継続が推奨
鍼灸治療のメリット・デメリット
✅ メリット
• 副作用が少ない
• 体質改善ができる
• 薬に頼らず症状を和らげられる
⚠️ デメリット
• 即効性はなく、継続が必要
• 保険適用外のことが多く、費用がかかる(1回3,000〜7,000円程度)
• 施術者によって技術差がある
まとめ
鍼灸は、花粉症の症状を和らげるだけでなく、免疫バランスを整えて根本的な改善を目指す治療法です。薬に頼りたくない人や、体質改善をしたい人におすすめです。
花粉症シーズン前からのケアが効果的なので、気になる方は早めに試してみると良いですよ!
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自然の力で体質改善!鍼灸と吸い玉治療で不調にアプローチ|副作用の少ない伝統療法を整骨院が解説
2025.01.09
鍼灸(しんきゅう)治療は、東洋医学に基づいた伝統的な治療法で、「鍼(はり)」と「灸(きゅう)」を用いて身体の自然治癒力を高め、健康を促進する方法です。それぞれの概要と効果について説明します。
鍼治療
鍼治療は、細い金属製の鍼を体の特定のツボ(経穴)に刺すことで、気(エネルギー)の流れや血液循環を改善します。痛みを和らげたり、筋肉の緊張を緩めたりする効果があります。
• 主な効果
• 痛みの軽減(腰痛、肩こり、頭痛など)
• 自律神経の調整(不眠、ストレス、めまいなど)
• 内臓機能の改善(胃腸の不調、月経痛など)
• 免疫力の向上
• 特徴
• 鍼は非常に細く、痛みはほとんど感じません。
• ツボは全身に存在し、症状や体質に応じて適切な場所に施術します。
膝、パルス治療、鍼灸
灸治療
灸治療は、ヨモギの葉を加工したもぐさを使い、ツボを温めることで治療を行います。熱の刺激によって血流を促進し、冷えや痛みを改善します。
• 主な効果
• 冷え性や疲労の改善
• 血行促進
• リラックス効果
• 免疫力の向上
• 特徴
• 熱感を心地よく感じる程度に調整します。
• 手軽にセルフケアとして行える道具(せんねん灸など)もあります。
堺市西区、お灸、鍼、冷え性
鍼灸の適応症状
吸い玉治療
吸い玉治療(カッピング療法)は、皮膚にカップを吸着させて真空状態を作り、血流を促進し、筋肉の緊張をほぐす伝統的な治療法です。東洋医学の一部として古くから行われており、現在ではリラクゼーションや筋肉の回復促進を目的として広く活用されています。
吸い玉治療の方法
1. カップを設置
カップはガラス製やプラスチック製のものが一般的です。部位によってはシリコン製も使用されます。
2. 真空状態を作る
• 火を使う方法
カップ内で短時間火を使い、酸素を燃焼させて真空状態を作り、皮膚に吸着させます。
• ポンプ式
専用の吸引ポンプで空気を抜いて真空にします。火を使わないため、安全で簡便です。
3. 治療時間
カップを吸着させた状態で5~15分程度放置します。
吸い玉治療の効果
吸い玉治療は、次のような効果が期待されています。
1. 血流改善
カップの吸引によって局所的に血液の流れが良くなり、老廃物が排出されやすくなります。これにより、体全体の循環が促進されます。
2. 筋肉の緊張緩和
筋肉の硬直をほぐし、痛みやコリを軽減します。肩こりや腰痛、運動後の筋肉疲労に特に有効です。
3. デトックス効果
真空状態による皮膚の吸引でリンパの流れを促進し、体内の老廃物の排出をサポートします。
4. リラクゼーション
筋肉の緊張が緩和され、自律神経が整うため、ストレス軽減や睡眠の質向上にも役立ちます。
適応症状
• 肩こり、腰痛、筋肉痛
• 冷え性、むくみ
• 慢性的な疲労やストレス
• 頭痛や血行不良に伴う不調
注意点
1. 皮膚の反応
吸い玉治療後、皮膚に赤紫色の跡が残ることがあります(これは血液が集まった証拠であり、数日で消えるのが一般的です)。ただし、痛みを伴う場合は施術者に相談してください。
2. 禁忌
以下の方は施術を避けるか、医師と相談する必要があります:
• 血液凝固障害のある方
• 妊娠中の方(特に腹部や腰部への施術は避ける)
• 皮膚が極端に敏感な方や皮膚疾患のある部位

吸い玉治療は、リラクゼーション効果や慢性的な不調の改善に効果的ですが、他の治療法と組み合わせることで、より良い結果が得られることもあります。興味があれば、専門の施術者に相談してみてください。
鍼灸治療のメリット
• 副作用が少ない
• 薬を使わない自然療法
• 症状の根本改善を目指す
鍼灸の適応症状
世界保健機関(WHO)は、以下のような症状に鍼灸治療が効果的であると認めています。
• 筋骨格系:腰痛、肩こり、関節痛
• 神経系:片頭痛、坐骨神経痛
• 循環器系:高血圧、動悸
• 消化器系:胃痛、便秘、下痢
• 婦人科系:生理不順、更年期障害
• その他:アレルギー、ストレス、睡眠障害など
注意点
• 妊娠中や特定の病状を持つ方は、施術前に医師と相談してください。
鍼灸治療は、症状の改善だけでなく、心身のバランスを整えるためにも役立つ方法です。興味があれば、専門の整骨院で相談してみてください。
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経絡について
2024.12.05
概要
経絡(けいらく)は、東洋医学の基本的な概念の一つで、体内の「気」や「血」が流れる通路を指します。これらの経絡は、体の各部をつなぎ、内臓や外部の器官、組織と密接に関連しています。経絡の考え方は、中国医学や鍼灸、漢方医学などで用いられ、体のバランスを整えるために非常に重要とされています。
たとえば、東洋医学の治療には薬(漢方)を使う方法と『鍼や灸』を使う方法があります。漢方は服用することのによって身体の内部から変調している部位を治療します。鍼や灸などは体の外側から刺激を与え変調している部位に働きかける治療方法です。
体の外側を刺激するだけで、なぜ『臓腑』や『気』『血』などの悪い状態を治療できるのでしょうか?
それは、からだには『経絡』と『ツボ』(経穴)けいけつと呼ばれるものがあり『体表面と臓腑をお互いにつないでいる』からです。
経絡とは『気』と『血』が巡る通路のことです。皮膚、筋肉、臓腑などをつないで全身にはりめぐらされています。ですから、身体のどこかに変化が起これば、その変化が経路に伝わっていき全身に広がると考えられます。
経絡の基本構造
1. 十二正経
体内の主要な経絡で、次の12本があります。
• 手の三陰経:手太陰肺経、手厥陰心包経、手少陰心経
• 手の三陽経:手陽明大腸経、手少陽三焦経、手太陽小腸経
• 足の三陰経:足太陰脾経、足厥陰肝経、足少陰腎経
• 足の三陽経:足陽明胃経、足少陽胆経、足太陽膀胱経
2. 奇経八脈
十二正経以外に存在し、体内のエネルギーを補助的に流す役割を持つ。
• 督脈、任脈、衝脈、帯脈、陰蹻脈、陽蹻脈、陰維脈、陽維脈
経絡の役割
• 気血の流通:体内のエネルギーである「気」や「血」を全身に運びます。
• 内外の連絡:臓腑(内臓)と体表(皮膚、筋肉)をつなげ、全身を調和させます。
• 病気の診断と治療:経絡の異常が体調不良や病気に関連するため、鍼灸やマッサージで経絡を調整する治療が行われます。
経絡とツボ(経穴)
経絡上には「経穴(けいけつ)」と呼ばれるツボがあり、これが気や血の出入り口とされています。ツボを刺激することで、経絡の流れを整え、身体のバランスを回復させることができます。
日常生活での応用
• マッサージや指圧:経絡やツボを意識して刺激することで、リラックスや体調改善に役立てる。
• ヨガや気功:体内のエネルギーの流れを良くする動きが取り入れられています。
• 鍼灸治療:経絡の調整を目的に、針やお灸を用います。

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五行説について
2024.11.14
五行説(ごぎょうせつ)は、古代中国で発展した自然哲学や思想体系であり、万物は「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」の五つの基本的な要素(五行)から成り立っていると考えるものです。これらの要素は、自然界や人間の営みに影響を及ぼし、互いに相互作用することで世界のバランスを保っているとされます。
五行説は、陰陽説と共に東洋思想の基礎を形成し、様々な分野で応用されています。以下は五行の性質と相互関係の概要です。
五行の性質
• 木(もく): 生長や発展を象徴し、春の季節や朝を表します。色は青や緑。
• 火(か): 熱や活力を象徴し、夏の季節や昼を表します。色は赤。
• 土(ど): 安定や調和を象徴し、季節の移り変わりや中心を表します。色は黄色や茶色。
• 金(ごん): 切断や収穫を象徴し、秋の季節や夕方を表します。色は白。
• 水(すい): 流動性や浸透を象徴し、冬の季節や夜を表します。色は黒や青。
五行の相互作用
五行は「相生」と「相剋」という2つの関係性を持っています。
• 相生(そうじょう): 互いに生み出し合う関係。たとえば、「木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む」という循環を示します。
• 相剋(そうこく): 互いに抑制し合う関係。たとえば、「木は土を制し、土は水を制し、水は火を制し、火は金を制し、金は木を制す」という抑制関係があります。
応用分野
五行説は中国の医学、易学、風水、占い、暦法など、さまざまな分野で活用されてきました。特に中医学では、五行説を用いて臓腑や体の各部位を説明し、バランスを取ることが健康維持に重要とされています。
例えば、五臓六腑を五行説にあてはめると、肝と胆は木、心と小腸は火、脾と胃は土、肺と大腸は金、腎と膀胱は水となる。
それぞれの臓腑は、相生と相剋の関係を持ち、治療法にも取り入れられる。たとえば『木生火』であるから肝(木)は心(火)を生む。つまり『心』が弱ったら『肝』を助けることにより『心』が補強される。『五臓色体表』で見てみると『肝』に食べると良い物としては穀物でいえば『麦』であり家畜であれば『鶏』野菜でいえば『韮』(ニラ)であり果実でいえば『李』(スモモ)です。しかし、五臓六腑の関係や症状、治療などすべてが『五行説』で説明されるわけではありません。
五行説は単に自然現象を説明するだけでなく、人間社会や心理の理解にも使われ、東洋哲学の一部として深い影響を与え続けています。

土用ってなに?
2024.10.24
土用って何?
土用とは春夏秋冬季節の変わり目の二十四節気(にじゅうしせっき)の中の立春(りっしゅん)立夏(りっか)立冬(りっとう)の前の18日間の期間の事です。この土用期間中は陰陽道における土を司る神様の土公神(どくじん)が土の中にいるとされ土を動かす事を『土動かし』と言い土公神が怒って祟り(たたり)をおこすと言われているため『草いじり』『草むしり』『柱立て』『基礎工事』『壁塗り』『井戸掘り』などの行為は避ける風習があります。
脾と土用の関係
中国の古い書物で黄帝内経素問の中に『季節』と『臓器』を当てはめた文章があり土用の時期は脾が良く働き養うので逆に『脾の働きが悪い人、脾の病気を患っている人』は脾が余計に弱ってしまいます。m
東洋医学では『脾』とは西洋医学の『脾臓』という臓器の機能さすだけではなく
①食物を消化吸収しエネルギーに変える働き
②体内における血液、唾液、尿などの体液バランスを保つ働き
③血液を作る働き
などの身体機能を司ると考えられています。
余談になりますが『脾が弱い人の特徴』は
①物事を考えすぎて心配性になりやすい
②自分が他人から危害を加えられていると言う気待ちが強い
③湿気の多い時期が苦手で季節の変わり目に体調を崩しやすい
④甘いものが好き
⑤肌は黄色っぽい
湿気の多い国土に住む日本人は脾を弱めている人の割合が他の民族の人に比べて多いと言われている。
『脾』の影響で起こる症状
①胃腸の調子が悪くなっている。
②右の肩甲骨周りが張っている。
③首、肩のこり激しくなっている。
④耳鳴りしている。
⑤毎年この時期に身体しんどくなっている。
上記の内容にこころあたりのある人は『寒くなって身体が硬くなっている』のではなくて
①土用の影響を受けている。
②土用は『脾が影響を受ける』
ところから症状が発症している。
当院ではこの『土用の時期』の特有の症状を解決するために東洋医学的アプローチである鍼灸治療を行っており。
鍼灸治療においては『あなた自身が持っている身体を治す力を引き出す働き』があり土用の影響を治すのに最善です。
脾に関係しているツボや経絡沿いに鍼、お灸、置き鍼、背中や腰に吸い玉、フットマッサージ、ヘッドマッサージなどの鍼灸治療をしていきます。