肩が痛くて上がらない、夜も眠れないほどの痛み、腕の置き場所に困る・・・
一口に肩の痛みといっても、いろいろな種類がある事をご存知でしょうか?種類によって治療法も変わります。まずは、症状からチェックし、ご自分の症状を知ることから始めていきましょう!
①腱板損傷(けんばんそんしょう)
腱板とは、腕を上げる運動や腕を内外に回す運動をする時に重要な役割を果たす筋肉で、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)の4つからなります。最も痛みやすいのが棘上筋です。
腱板損傷は、若年者から高齢者まで広い世代に見られ、明らかな外傷によるものや日常生活動作のなかで損傷や断裂が起きる場合もあります。腱板は、肩峰(けんぽう)と上腕骨頭に挟まれている為、小さな力でも損傷しやすいのです。腕を高く上げる動作を繰り返すと、上腕骨の上端と肩甲骨上部で腱板筋を挟み込む事で炎症や腫れを起こし、腱が弱くなり断裂する事があります。
症状としては、肩を動かすと痛く、特に方を挙げる時に強い痛みを感じます。また、五十肩と同様に夜間痛を伴う事もあります。
検査法として、腕を外側に挙げる事で可動域と痛みを診るペインフルアーク、腕を外側に挙げた状態を維持する事が出来るかを診るドロップアームなどがありますが、MRIや超音波検査で腱板部の断裂の大きさや腱板の厚さを確認し、五十肩との区別をしていきます。
断裂や症状の状態によっては、手術で断裂している部分を縫合する事もあります。しかし、断裂部分が小さかったり部分的な場合は、運動療法などで痛みが取れる事も多いです。
②肩関節唇損傷(かたかんせつしんそんしょう)
関節唇は関節窩の縁にあり、肩関節の安定性を高めると同時に、さまざまな衝撃から守るクッションの役割を果たしています。スポーツ動作や肩関節脱臼等が原因で損傷する事があります。
関節唇が損傷すると、野球の投球など肩を使うスポーツや動作の時に、肩の深い部分に痛みを感じます。症状が悪化していくと、痛みのあるクリック音またはゴツンという鈍い音や、肩にひっかかる間隔が生じる事があります。
MRIやCTで診断をおこないます。運動療法や物理療法から始まり、症状や程度によっては手術を検討する場合もあります。
③肩関節周囲炎(五十肩)
40~60歳代に発症し、50歳代に多いことから五十肩と呼ばれています。肩関節の周囲組織の炎症が主な原因で、肩を動かす事で痛みが発生し、夜間痛(夜中や朝方に痛みで目が覚めるなど)という症状が特徴的です。頭の後ろで手を組む動作(結髪動作)、腰の後ろで手を組む動作(結帯動作)が困難になる事も代表的な症状です。
放っておいても治ると言う事で、痛みを我慢している方多いですが、運動療法や物理療法で改善がみられています。レントゲンやMRIなどでも特徴的な所見が指摘される事は少ないです。五十肩以外の病気ではないかなどの鑑別診断に役立てる目的が多いです。
④肩こり
肩こりは病名ではありません。肩こりは乳酸などの疲労物質が筋肉に溜まって起こる症状で、不自然な姿勢を長時間続けたり、過度なストレスなどにより引き起こされます。それらが原因で肩の筋肉が緊張すると血液の流れが悪くなり、疲労物質がたまり、肩がこわばります。
頭痛や腹痛と一緒で、自覚症状の一つです。頭痛や腹痛は他人から見てわからないように、肩こりも他人から見てはわからず、自分で自覚する物なので、肩こりになったことがないと言う方も当然存在します。
肩こりを感じている方は、原因を探り、その原因を治療していかない限り解消されない事が多いです。
当院では、身体にかかる負担を分析し、その根本から治療していく事をモットーにしています。ぜひご自分の体を知ることから始めましょう!