指の第一関節が変形して曲がってしまうもので、中高年の女性に見られることが多いものです。第一関節の甲側の両側にこぶが出来るのが特徴です。この病気を発見した医師の名前からへバーデン結節と呼ばれています。
どんな症状がありますか?
人差し指から小指にかけて第一関節が腫れたり、曲がるなどの変形が起こったりします。場合によっては痛みを伴うこともあります。親指にもみられることもあり、関節の動きも悪くなり、痛みがきつい場合は強く手を握ることが困難になることもあります。
①指先に力が入りにくい(包丁で硬いものが切れない、容器のふたが開けられない、つまむことがしにくいなど)
②第一関節の痛み(ピリピリ痛む、チクチク痛む、強く握れない、ぶつけた時に痛みが走るなど)
③第一関節の動きが悪い(特に伸ばす動き)
④第一関節が赤くなり、腫れている
⑤第一関節が変形している、グラグラ動く
このような症状がみられる場合は、へバーデン結節の可能性があります。また、第一関節の甲側に水ぶくれのようなもの(ミュースカスシスト、ガングリオン、粘液嚢腫など)ができることもあります。
どのような検査がありますか?
視診や触診などとレントゲンによる画像診断が行われます。第一関節の骨と骨の間が狭くなったり、骨棘と言われるとげが出ているなどの変形性関節症の所見があればへバーデン結節と診断されます。最も鑑別する病気として重要なのは関節リウマチです。関節リウマチの症状は両側性に起こる関節痛や腫れ、炎症による体のだるさ、朝のこわばり(約一時間などの長時間のこわばり)などから起こることが多いのですが、手指の場合の発症部位は手首や第二関節や三番目の関節のMP関節と呼ばれる付け根の部分のことが多く、第一関節に起こることはほとんどありません。また、リウマチの場合は炎症によって骨が溶けていくのに対して、へバーデン結節では負担などにより骨が増殖していることが診られる為、区別することが出来ます。痛みに関しても、へバーデン結節の場合は一定期間を過ぎれば治まることが多いですが、リウマチは進行性の炎症ですので、早期発見早期治療が重要であると言われています。
治療法は?
安静と保存療法が中心になります。腫れや熱があればアイシングや軽度のマッサージ、テーピングなどで第一関節にかかる負担の軽減を行います。進行予防として、炎症を早期に鎮静化させることも重要で、ホルモンバランスの変化に対する薬や漢方、炎症を改善させるステロイド注射なども検討されます。手術を行う事はほとんどありませんが、変形が進んで痛みが改善されなかったり、日常生活に支障をきたすほどの痛みや変形がある場合は、増殖した骨を削ったり、傷んでグラついた関節を固定する手術が選択されることもあります。