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梨状筋症候群について

2021.01.30

腰や足の痛みがあれば、坐骨神経痛を疑う方も多いと思います。しかし、坐骨神経痛とはあくまでも症状であり、病気ではありません。原因は様々ですが、その原因の一つに梨状筋症候群というものがあります。梨状筋は、骨盤の真ん中にある三角形の骨、仙骨(せんこつ)や尾骨(びこつ)の前面から、大腿骨大転子についている筋肉です。走っているときや座っているときに、股関節を回旋させる筋肉を通る坐骨神経が、梨状筋の下から出る位置で圧迫されることがあります。それを梨状筋症候群といいます。

どんな症状?

持続的な痛み、チクチク感、しびれが最初は臀部に庄司、太ももとふくらはぎの裏側に広がり、ときには足にまで及ぶことがあります。梨状筋が坐骨神経を圧迫すると、痛みが強くなります。

どんなときに痛みが出るの?

草むしりなどの中腰やゴルフなどのスポーツ、長時間の運転、走っているときなど、梨状筋に負担がかかるようなことで起こりやすいです。また、トイレやサドルの狭い自転車なども圧迫を受けやすいので、症状が出やすくなります。

梨状筋症候群発祥のメカニズムとして、股関節が外旋すると筋肉が緩むため、筋肉の間を通る神経が圧迫されません。しかし、股関節を内旋すると、梨状筋が伸ばされる形となり、筋肉の間を通る神経が締め付けられ、痛みやしびれが生じることとなります。

診断方法は?

股関節周囲にストレスを加えて筋力を判定すると株検査によって、痛みを誘発する方法がいあります。また、ブロック注射を行うことで症状が消失すると、診断とともに治療にも有効となります。電気生理学的診断、CT、MRI、超音波検査も使用されることがあります。椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症との鑑別も必要となります。

治療法は?

症状が強い場合には梨状筋ブロック注射が効果的ですが、ブロック注射により数時間足に力が入りにくくなり、歩けなくなることがあります。このような治療でも効果が乏しい場合には、手術を行うこともありますが、手術に至るのはそれほど多くないと言われています。また、固まっている梨状筋をほぐすためのストレッチも有効です。当院では、鍼灸治療を使い、深部にある梨状筋へのアプローチを行います。

予防で大切なこと

股関節周りのストレッチが効果的です。中腰の姿勢やゴルフなどによって使いすぎている場合は、運動の制限も必要になっていきます。体重の増加も臀部の筋肉への負担になりますので、適切な体重の維持を心がけることも大切です。

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