低体温症について
2021.11.29
「低体温症」と聞くと、寒冷な環境にさらされることによって発症する登山家の方がなるようなもののイメージがあるかも知れません。しかし、低体温症は実は屋外で発症するよりも、屋内で発症することの方が多く、その多くは高齢者の方が多いと言われています。
低体温とは?
人の身体の奥の温度である深部体温が35℃以下になった時、低体温症と診断されます。35~32℃は軽症、32~28℃は中等症、28~20℃は重傷と言われています。健康な人の体温はおおむね36~37℃で調節されており、外気の寒い冬でも環境に影響されることなく一定に調節される機能が働いています。ですので、体温が35℃台と低い場合には低体温であると考えられます。
冷え性とは、体温に関係なく、手足が冷たいなどのどこかに冷えを感じ、不快や苦痛を感じている状態をいいます。必ずしも低体温症と冷え性が繋がっているとは言い切れません。
平熱が低いとどうなるの?
血液は身体の中のすべての細胞に酸素と栄養を届け、不要になった老廃物を回収して運び出す働きをしています。この循環が悪くなったり、滞ったりしてしまうと、体内の細胞は栄養不足になったり、老廃物が回収されずに体内に溜まってしまいます。また、身体が冷えていると、血管を通る血液も冷えてしまい、冷えた血液が体内を巡ることで冷えを悪化させてしまう事もあります。
代謝が低下し、熱を生み出して体温を維持することが難しくなり、さらに冷えが進み、より代謝が落ちて痩せにくく、太りやすい状態になってしまいます。
食べ物の消化吸収が上手くできなかったり、酵素が働かないことで免疫低下、筋肉が固まる、腸が冷えて便秘や下痢を引き起こしたりと様々な影響が出てしまいます。
女性の場合は筋肉量も少なく、皮下脂肪が多い為に、より冷えやすいと言えます。
気温が低くても体温が下がらない不思議!
人の身体には体温を低下させたい仕組みがあります。体表面にも体内にも温度センサーのような働きをする神経が張り巡らされています。脳の視床下部には、この温度センサーから温度に関する情報を集め、体温が適温になるようにコントロールしています。例えば、視床下部が寒さを感知すると、血管を収縮させて体温を外に逃がさないようにします。それでも体温が下がってしまう場合は、筋肉を震わせて熱を生み出し、体温を上げようとします。また、内臓も熱を発することができます。
低体温になる方は、温度センサーの役割が上手く果たせていないか、体温を上げる働きが上手く働かない状態にあると言えます。
なぜ、低体温症が起こるの?
極度なダイエットや筋肉の減少、甲状腺ホルモンの減少などにより体で作られる熱が低下したり、ストレスや老化によって自律神経が乱れたり、血管の収縮機能が上手く働かないことによって熱の放散と産生とのバランスが取れず、低体温症になってしまいます。
身体を温める生活習慣が大切です!
身体には太くて血流が豊富な血管があり、温めるポイントとして重要と言われています。「首」と名前がつくところは冷やさないように!と聞いたことはありませんか?首、手首、足首などですが、逆にそこが温めるポイントとなります。比較的太い血管が皮膚に近いところを通っているので、冷やしてはいけない部分ですし、大切な温めポイントと言えます。また、腰を温めることで、女性は子宮や卵巣、男性も腎臓に当たる部位なので、重要な温めポイントになります。
冬はマフラーやタートルネックで首を冷やさないようにすることも大切です。腰は腹巻を巻いたりなどで冷やさないようにケアを心がけましょう。
飲食については、口に入れるものの温度を体温以上の温かいものにすると身体を温めることができます。常温のお水は体温よりも低いので、白湯などがおすすめです。食事もお味噌汁や温かいスープなどをつけるなど工夫をすることで温めることができます。
<身体を温めると言われている食材を紹介します!>
かぶ、山芋、百合根、小松菜、ニンジン、レンコン、栗、肉、えび、鮭、ニラ、ニンニク、ねぎ、らっきょ、シソ、シナモン、しょうが、味噌、お酢など・・・
大根ものどや咳に効くと言われているので温まりそうですが、実は体を冷やしてしまう食材なんです!生で大根やゴボウを食べると身体や胃腸を冷やしてしまうことがあります。大根には炎症を抑える働きがあるので、咳やのどの痛みを抑えてくれる効果が期待できるのです。生ではなく、火を通して食べるなどの、食べ方に注意すれば大丈夫です。
当院での治療法は?
以前のブログでも紹介した足湯もそうですが、自律神経の働きを整えたり、胃腸の調子を整えることで低体温や冷え性を改善していきます。鍼灸治療で交感神経の働きを鎮め、副交感神経優位にしていくことで、リラックスさせ血管を拡張させて血液の巡りを良くしていきます。足湯で温めた血液を全身に巡らせることで低体温や冷え性を改善していきます!
身体を根本から変えていく為にも、症状改善だけでなく、再発予防としてトレーニングも行っています。筋肉を鍛えることでも体を中から温めることになりますので、一緒に頑張りましょう!
「患者様より先に諦めません!」
\サンSUNと輝く元気な笑顔!/
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【てぃだ整体整骨院 予約方法】
当日のご予約で、診療時間内は電話でのご予約お願いします。
【てぃだ整体整骨院】
《電話番号》
072-263-6966
《住所》
大阪府堺市西区浜寺諏訪森町東2-109
※南海本線 諏訪ノ森駅より徒歩5分!阪堺電車 船尾駅から徒歩10秒!院前のガイコツが目印です!
《診療時間》
平日9:00~12:00 14:00~19:00
土曜9:00~14:00
木・日曜日休み
※木・日曜日以外の祝日も通常通り開院しております。
PMSについて
2021.11.22
PMSって何?と言われる方もおられるかも知れません。当院では、PMSの方の治療も行っております。
PMSとは?
月経前症候群(premenstrual syndrome)の略称で、月経前3~10日の間続く精神的あるいおは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。
原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌されます。この黄体期の後半にエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことがPMSの原因と考えられています。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、女性ホルモンの低下だけでなく様々な多くの要因から送ると言われています。
どんな症状がある?
〇精神神経症状→情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害など
〇自律神経症状→のぼせ、食欲不振、過食、めまい、倦怠感など
〇身体的症状→腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、おなかの張り、乳房の張りなど
とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(permenstrual dyspholic disorder:PMDD)の場合もあります。
また、PMSの症状は200種類以上あるともいわれています。しかし、症状が月経の周期に伴わないのならば、別の病気によるものかもしれません。一度検査を受けることをお勧めします。
症状が月経周期に伴うがPMSではない疾患もあります。
〇月経困難症→寝込んでしまうほど月経中にお腹が痛い、下痢や吐き気など日常生活が送れないほどの不調を感じる場合。月経中の症状はPMSと区別されます。
〇PMDD→ココロの症状が重く、自制が困難で日常生活が全く送れないほど深刻な場合。国内の調査では、1.2%ほどの女性がPMDDだと言われています。
〇更年期障害→45歳ごろから55歳ごろの女性にみられる症状で、のぼせなどPMSと似たような症状がみられます。そのため、更年期障害とPMSの症状を区別しにくい場合があります。
人によって、またはその月によって、症状の違いがあることも多くあります。
症状の違いが起きるのはなぜ?
女性ホルモンや脳内ホルモンの働きで影響を受け、デリケートな女性の身体がその人の体質や体調により200種類以上もの症状となって現れるのです。
特に影響を受けやすい要因は。。。
①ストレス→急な環境の変化や、ハードワークによる緊張状態が続いたときなど、ストレスがたまっていると、PMSの症状は重くなります。
②性格・考え方→律儀で真面目、几帳面で完璧主義、負けず嫌いで自分に厳しいなど・・・こんな性格の人は要注意。PMSの症状が出やすいと言われています。
③食生活・嗜好品→タバコを吸って、お酒も大好き、カフェインたっぷりのコーヒーもよく飲むという人は症状が重くなりやすい。バランスの悪い食事をしている場合も同様に重くなりやすいと言われています。
④自律神経・体力の低下→風邪や病気で免疫力が低下していたり、自律神経が乱れているとPMSの症状が重くなります。
バランスのいい食事や軽い運動、カフェインを取らないようにする、禁煙など、緩和する方法は様々ですが・・・
当院での治療は?
当院では、免疫力や自然治癒力を高めて体の中からも根本治療をしていく為に、鍼灸治療を行っております。
鍼やお灸を使ってツボを刺激し、体の中から整えることを行っております。症状の変化を見極めながら、その人その人にあった施術を行ってまいります。
一人で悩まれることなく、ぜひお気軽にご相談ください!
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自然治癒力について
2021.10.13
自然治癒力とは、「人間・動物など生まれながらにして持っているケガや病気を治す力や機能」。手術や薬物投与などをしなくても治る機能の事を言います。昔から「手当て」といい、手を患部に当てるだけで症状が治まってしまうなどからあるように、これは人間がもつ自然治癒力のおかげと言えます。
痛みなどの強いストレスを感じた時、脳下垂体からエンドルフィンという物質が分泌されます。このエンドルフィンには、麻薬のモルヒネと同じ作用、つまり痛みや不安を和らげる力があります。例えば出産なども、分娩の前からエンドルフィンの活性は高まりはじめ、分娩の時には通常の6倍にも達すると言われています。出産のストレスと痛みに対応するために体は自らエンドルフィンという麻薬を作り出しているのです。
ケガをした時、傷が化膿して膿が出ることがあります。膿は侵入しようとする細菌を防ぐ為に白血球が戦った跡なのです。白血球のような食細胞は、体内に入り込もうとする細菌を食べることで病気の感染を防いでいます。このような抵抗力も人間の持つ自然治癒力の一つだと言えます。
「自然治癒力」を高めていく為に必要なことは?
〇ストレスを溜め込まないこと
免疫と自律神経は深く関係しています。呼吸や血液循環、消化などの生命を維持するうえで重要な働きを担っている自律神経が乱れると免疫のバランスも崩れて、免疫力の低下につながります。
〇睡眠をしっかりとること
睡眠時は体がリラックスする為、免疫力アップにつながります。
〇身体を冷やさないこと
平均体温が1℃下がると、免疫力が約35%さがると言われています。逆に体温が1℃上がると、免疫力が60%も活性化すると言われています。風邪をひいたときに熱が上がるのも免疫力を高めようとする防衛反応だと言われています。
どれも鍼灸治療で対応できます。自律神経を整えるツボを使い鍼やお灸で刺激し、吸い玉などを使ってバランスを整える、体を深部から刺激することで自然治癒力を高めることにつながります。
頚椎症について
2021.06.30
首や肩が痛い、手がしびれる、腕が上がりにくいなどの症状でお困りではありませんか?肩や腕が痛いのも、首に原因があるかも知れません。首は頚椎と呼ばれる7つの骨により作られています。頚椎のクッションや靭帯が加齢などにより、クッションの役割を果たしている椎間板や靭帯が肥厚し硬くなることなどにより、首の痛みなどの症状が現れることを総称して、頚椎症と呼んでいます。
頚椎の関節から出てくる神経根や脊髄、血管などが圧迫され、首や肩甲骨付近の痛みや、首肩から手腕にかけての痛みやしびれを生じることもあります。障害される部位により
腰部脊柱管狭窄症について
2021.02.28
腰部脊柱管狭窄症とは?
よく聞く名前だと思いますが、まず脊柱管とは何でしょうか?脊柱管とは、背骨の中にある脊髄や神経の通り道です。その通り道が、何らかの原因によって狭くなり、痛みやしびれが引き起こされるものを脊柱管狭窄症と言います。腰の背骨に起こると、腰部脊柱管狭窄症となります。症状としては、腰痛や下肢のしびれなど様々な症状が現れます。
大きく分けて3つの病態に分かれる
馬尾型・・・馬尾神経と言って、脊髄神経の終末神経で馬の尻尾のように細かく分かれているものが圧迫されると、両方の足のしびれや脱力感などが現れます。
神経根型・・・神経根とは背骨から神経が出てくる時に分かれる分かれ道の部分のことで、神経根が圧迫されると、片方の足の痛みやしびれなどが現れます。
混合型・・・馬尾神経、神経根ともに圧迫がある状態のことを言います。上記の両方の症状が現れることがあります。
腰部ヘルニアとはどう違うの?
よく、ヘルニアと間違われることがあります。脊柱管狭窄症とヘルニアの違いとして、脊柱管狭窄症は神経が入っている部屋自体が狭くなっているイメージで、ヘルニアは神経が入っている部屋にいろいろな物が入ってきて狭くなっているイメージです。どちらが原因となって症状が出ているかを鑑別することが必要になります。
原因はなに?
主な原因は加齢による椎間板の変性だと言われていますが、すべり症などの病気によるものが多いと言われています。デスクワークや肉体労働の方、普段から腰に負担がかかっている方にも多く見られます。
どんな症状があるの?
痛みよりもしびれを感じる方が多くおられます。特徴的な症状として、「間欠性跛行」(かんけつせいはこう)と言われるものがあります。しばらく歩くと痛みやしびれが現れるために歩行困難となります。しかし、少し安静にすると症状が緩和して再び歩くことが出来るようになります。また、歩くのは難しいが自転車には乗れるという方が多いこともあります。自転車に乗っている姿勢が前かがみになっていることが原因です。前かがみになると、脊柱管が広がるために痛みやしびれが緩和されるためです。後ろに反る体勢が困難になってきます。
診断方法は?
主に病院では、レントゲン撮影から行われますが、脊柱管狭窄症の診断はMRIや脊髄造影が必要になります。また、先程の間欠性跛行がないかどうか、前かがみで緩和したり、後ろに反ると悪化したりということがないかなどの診察も行われます。
治療方法は?
そのまま放っておいて自然に治ることは難しいと言われています。主に、薬物治療や装具治療、手術治療があります。当院では腰に負担をかける姿勢を分析して取り除き、神経への血流改善のために鍼灸治療を行います。なにが原因となっているかが重要なポイントとなるので、ご自身で考えられる原因を担当の方に伝えていくのもたいせつです。
手根管症候群について
2021.02.15
手根管症候群とは、てのしびれ感を訴えて受診する最も一般的な疾患と言われています。手根管とは、手首の部分にある骨と手根靭帯に囲まれた空間のことであり、指を曲げる9本の腱と正中神経が通過します。この手根管内で何らかの原因により、正中神経が圧迫されると手や指のしびれが生じます。
手根管症候群
手根管症候群になってしまう原因とは?
手首の骨折や手根管内の腫瘍、リウマチ、妊娠、糖尿病、腎疾患、痛風など、ホルモンの変化などでも影響を受けます。しかし、最も多いのは、中高年の女性に頻繁に発生し、原因のはっきりしない特発性といわれるものと、よく使うことによっておこる腱鞘炎によるものです。
どんな症状がある?
主な症状は、母指から薬指のしびれです。特に親指側のしびれ感と触った感じが鈍いなどの感覚低下です。初めは中指のしびれ感で気が付くことが多く、次々と隣の指に痺れが広がっていくのが一般的です。夜間や明け方に痛みやしびれ感が憎悪し、痛みの為目が覚めてしまうという事が典型的な症状で多くあります。症状が悪化すると、正中神経が支配している母指球筋(親指の付け根の筋肉)の筋力が低下してしまいます。高度の麻痺になると母指球筋の萎縮が著しくなり、手を開くことが出来なくなります。ボタンがかけにくい、小銭がつまめないなどの日常生活でも大きな障害となります。
治療法としては、保存療法と手術療法があります。ビタミン剤の服用や手関節の安静を保つ装具の装着、ステロイド注射を打つこともあります。それでも改善しない場合は、手根靭帯の切開により、正中神経の圧迫を除去するのが基本的な手術療法となります。また、母指球筋の萎縮が重症な方の例としては、この手術のみでは母指機能の回復が期待できないことが多く、腱移行による母指対立再腱術を同時に行われることがあります。
診断方法は簡単にチェックできます
手首をたたくとしびれや痛みが指先に響いたりすることをチネル徴候といいます。神経に障害が起こった時に発生するものです。手首や手のひらをたたいた時に、指先に痛みやしびれが響いた場合は陽性となります。また、手首を直角に曲げて手の甲を合わせて保持し、1分間以内に痺れや痛みが悪化するかどうかを見るファーレンテストというものもあります。症状が悪化する場合は陽性となります。母指球の萎縮も見られる場合は、筋力低下や萎縮の程度を見る為に筋電図検査を行うこともあります。腫瘍が原因として疑われる場合はエコー検査やMRIなどの検査が必要なこともあります。
手根管症候群 ファーレンテスト
頚部神経根症について
2021.02.15
「肩こりかな?」「寝違いかな?」「五十肩かな?」など、肩や首~腕にかけての症状でお困りの方もおられると思います。本当にそれは、肩こりですか?肩をマッサージしたり、温めたりしても改善されない症状は、首の神経からくる症状かもしれません。頚部神経根症といいます。
神経根症ってなに?
神経根とは、脊髄神経が枝となって体に分かれていく前の根っこのようなもので、脊柱の内部または隣接部位での神経根への圧迫が引き金となって起こるものが神経根症といわれています。痛みやしびれ、神経領域の筋萎縮、筋力低下などの症状がみられます。
どんな症状があるの?
中年から高齢にかけて多く、肩から腕の痛みが生じます。腕や手指のしびれが出ることも多く、痛みは軽いものから耐えられないような痛みまで程度をそれぞれです。一般的に頭を後ろへ反らせると痛みが強くなるので、上を見ることやうがいをするなどが不自由になります。上肢の筋力低下や感覚障害がおこることも少なくありません。
なぜ、そうなるのか?
加齢変化による頸椎の変化(椎間板の膨隆、骨の棘化)によって、脊髄からわかれて上肢へむかう神経根が圧迫されたり刺激されたりすることで起こります。パソコンの画面などを首を反らせてみていることも原因のひとつとなることがあります。頸椎には7個の骨があり、これらの骨が積み重なった構造になっています。骨の内側には脊柱管という脊髄が通るトンネルがあり、その脊髄から枝分かれした神経根が圧迫されるということになります。
治療法は?
頚部神経根症の治療法には保存療法と手術療法があります。基本的には保存療法が選択されることが多くあります。痛みやしびれの症状が強い重傷者には手術療法が検討されますが、手術のリスクや手術後の社会復帰を鑑みた慎重な判断が必要です。保存療法には、ネックカラーの装着、痛みやしびれを抑える内服治療、リハビリテーションとして頸椎の牽引、神経ブロック注射などがあります。保存療法による治療を行っても改善が見られない場合や、再発を繰り返す場合、日常生活に支障をきたしている場合などには、手術療法が選択されます。神経血流を改善することでも神経の流れは改善していきます。当院では、鍼灸治療を用いて、デルマトームやパルス両方により、圧迫されて流れが悪くなってしまった神経血流を改善していきます。
予防法のご紹介
過度に頸椎に負担をかけないことが重要になります。正しい姿勢をこころがけ、特に頸を反らした状態で長時間過ごすようなことは避けなければなりません。例えば、スマホやパソコン、テレビ、読書など。あごが上がってしまうような姿勢になりやすいので注意が必要です。
首を反らす スマホ パソコン