側弯症について
2021.05.22
・側弯症とは?
背骨は本来、正面から見て真っ直ぐな状態が正常です。その背骨が左右に曲がってしまっている状態の事を側弯症と言います。
側弯症は、特別な原因なく発症する突発性側彎、生まれつき背骨が曲がっている先天性側彎、他の病気に伴って起こる病原性(症候性)即彎に分けられ、特に思春期の女の子に発症する思春期突発性側彎が最も多く見られます。原因不明に発症する突発性側彎は、特に思春期の女の子に多く見られ、無症状であることも多く、大人になってから側弯症に気付くと言うケースもあります。その他にも3歳以下の男の子に多い乳幼児期側弯症、4~9歳に発症し、進行する例が多い学童期側弯症も突発性側弯症に上げられます。
・身体にどんな影響を与えるのか?
側弯症が身体に及ぼす影響は側弯の程度や年齢などによって異なりますが、いくつかの症状が発症する事があります。
1.外見上の異常
片方の背部や腰部の突出や肩の高さの高低差、ウエストラインの左右非対称、肋骨の突出、乳房の形の左右差、円背や凹背などが見られます。
2.心理的負担、ストレス
側弯変形が大きな心理的ストレスを引き起こす原因となる事があります。
3.痛み
側弯症では変形のある背部や腰部に痛みやこりが出ることがあります。
4.神経症状
先天性側彎、後弯症や神経線維腫症などの局所で鋭角に曲がったタイプの変形では変形が大きい場合、脊髄が障害され、脊髄麻痺が生じる可能性があります。
5.呼吸器症状
進行すると、肺や心臓を包んでいる胸郭が変形し肺活量の減少や息切れを感じるようになります。
・側弯症の治療法とは?
1.装具を付けない経過観察
成長期に側弯症が25°未満の軽いカーブの場合は、定期的にX線検査と整形外科医による診察を受ける事が大切です。
2.装具治療
一般的に側弯が20°~45°程度の中等度の側弯症の場合は、進行防止の為に装具治療を行います。装着時間が長いほど効果があります。成長が止まり、骨が成熟して側弯の進行もなければ徐々に装具の装着時間を減らし、装具治療を終了します。
3.手術治療
高度の側弯症を矯正し進行を防止できる唯一の方法は手術です。リスクをゼロにすることはできませんが現在では適切な予防や対処も行われ、手術治療の安全性が向上しています。
・早期発見をするには?
側弯症を見つけるために、家庭でも出来る検査があります。
前屈検査
上半身裸かもしくはブラジャーだけにして観察します。両方の手のひらを合わせ、両腕を自然に前に垂らし膝を伸ばしたまま、背中を丸めながらゆっくりとおじぎをします。おじきをするに従い、肩周辺、背中、腰部の順に左右の高さに差があるかどうかを前、後ろから確認します。続いて、真っ直ぐ立った状態でウエストライン、肩の高さ、肩甲骨の高さと突出の程度について左右差があるか確認します。これらの検査で左右差があれば側弯症の疑いがあります。
・当院での治療
てぃだ整体整骨院ではまず姿勢分析を行い、身体の歪みや負担のかかっている筋肉や関節を見つけます。その後、負担がかかり痛みが出ている関節や筋肉の緊張を緩め、根本から改善していく為に鍼灸治療を行います。また、脊柱骨盤矯正を行い、側弯し痛みが出ていた場所を痛みの出にくい状態にします。痛みで崩れたバランスを元に戻すためのトレーニングやストレッチも行っています。
太もも、お尻に痛みの原因と治療法について解説|ハムストリング付着部炎
2021.05.15
お尻の痛みに悩んでいませんか?股関節痛や腰痛から臀部へ痛みが出ることがありますが、股関節や腰を治療してもなかなか治らないという事はありませんか?もしかしたら、「ハムストリングス付着部炎」かも知れません。
ハムストリングス付着部炎とは?
太ももの後ろにある、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つを合わせてハムストリングスと呼んでいます。股関節を後ろに引いたり、膝を曲げる筋肉です。骨盤の坐骨結節から始まり、ひざ下の脛骨にまでおよびます。そのハムストリングスに過度な牽引力が加わることで、付着部の坐骨結節に炎症が起こったものです。無理にストレッチしたり、股関節を後ろに反らせる動きや膝を曲げる動きの反復で負担がかかると、付着部の剥離骨折や炎症がさらに進行する場合がありますので、注意が必要です。
ハムストリングス付着部炎が起こる原因は?
ランニング、ジャンプ、キック動作の繰り返しにより牽引力が加わる、過去にハムストリングスを痛めたことがある、筋肉の緊張が強い、加齢によっても引き起こされるリスクが高くなります。体の歪みや椅子に座る時間が長く坐骨の圧迫があるなども炎症を起こしてしまう原因となりえます。

ハムストリングス付着部炎の診断はどのように行われる?
問診により痛みの部位やこれまでの症状の変化などを聞き取り、圧痛があるかどうかなどを調べます。ハムストリングスに負荷をかけて坐骨結節に痛みが出るかどうかなどの検査などを行います。また、画像検査ではレントゲンにより、他の病症でないかどうかを調べます。(変形性股関節症の有無など)MRIで付着部にどの程度の損傷が生じているかを評価することもできます。
ハムストリングス付着部炎の治療は?
炎症がきつい場合はアイシングや固定を行い、患部の安静を図ります。ハムストリングスの過緊張が原因になることが多いので、鍼灸治療で筋緊張を緩和し、付着部の血流改善を行います。日常生活での負担が原因になっていることについては、原因となっている動きを改善するように専門家のアドバイスを行います。テーピングやサポーターでの補助や補強を行って、日常生活で付着部へ負担がかかることを減らしていけるように施術を行います。姿勢の歪みや骨盤の歪みなどでもより負荷をかけてしまうこともあります。当院では姿勢分析を行い、負担をかけている歪みの有無を調べ、原因と症状の改善にあたります。また、症状が緩和してきた際には、低下した筋力を取り戻すためにもトレーニングを取り入れ、再発防止も行います。
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大腿骨頭軟骨下骨折について
2021.05.15
「股関節が痛い」「お尻が痛い」「太ももが痛い」など、足にトラブルを抱えている方も多いと思います。今回は、その中でも大腿骨頭軟骨下骨折についてお話しさせて頂きます。
股関節の痛みで考えられる事は?
◯変形性股関節症 ◯関節リウマチ ◯大腿骨骨頭壊死 なとがあります。
①変形性股関節症
股関節のクッションの役割となる軟骨の摩耗により、骨盤の受け皿や大腿骨頭が変形する事で生じます。中高年の女性に多く、生まれつきの股関節の形成不全などがある場合は若い年代でも起こる可能性があります。体重増加などで股関節に負荷がかかったりすると、より摩耗が進み、軟骨が減りやすくなってしまいます。太ももの痛みや付け根の痛み、膝などにも痛みやこわばりが出ることもあります。症状が進むと、その状態になると立っていることも辛く、靴下を履いたり爪を切ったりなどの事が難しくなってきます。
②関節リウマチ
関節リウマチとは、免疫の異常によって炎症起こり、腫れや激しい痛みが生じます。朝のこわばりや対称性の関節の腫れが見られ、発熱やだるさなどが現れる場合もあります。経過が長くなると、肩や膝などの大きな関節にも症状が現れることもあります。完全ではありませんが、遺伝的要因や喫煙、歯周病などとの関連性も指摘されています。
③大腿骨頭壊死
大腿骨とは足の付け根から膝までの太ももの骨で、股関節と膝関節の両方に関わる骨です。大腿骨頭壊死とは、股関節に関わる大腿骨の頭の部分の血流が途絶えて壊死した状態です。壊死した部分は生きた骨の持つ修復能力がない為、壊死の範囲が大きかったりすると形がつぶれてしまい、強い痛みを出すことがあります。
上記の状態についてとの見分けが必要になります。
大腿骨頭軟骨下骨折とは?
股関節には「関節唇」という軟骨がついており、股関節の臼蓋のふちに取り巻いて付着しているリング状の軟骨です。線維性軟骨と結合組織で出来ており、大腿骨頭を包み込んでいます。股関節の安定化や荷重分散の役割を果たしています。股関節に物理的な外傷がなくても骨粗鬆症の影響で骨折してしまう場合があります。また、ちょっとした転倒や落下、股関節に負担のかかる反復運動、突然のねじれなどが原因のこともあります。高齢者の女性に多いと言われていますが、最近では若年層にもみられることがあります。
股関節の痛みにはどんな治療をするの?
痛みによって緊張した筋肉や、痛みをかばう事によって負担がかかっている部分を見極めて施術をしていきます。炎症が強い状態などは超音波治療やテーピングでの補強・補助を行い、股関節の安静を図ります。周囲の筋緊張による膝や足首の痛みにもアプローチが必要です。強い痛みが治まってきたら鍼灸治療で筋緊張を緩和し、血流を改善することで治癒効果を高めていきます。荷重や回旋などの股関節に無理のかかる動きは状態を見て判断していきます。
肘部管症候群について
2021.04.10
手のしびれや痛みなどでお困りのことはありませんか?首などを疑うことが多いと思いますが、そのほかの部分に原因があることもあります。代表的な病気として、「肘部管症候群」というものがあります。肘の内側には靭帯や骨でできたトンネルがあり、それを肘部管と言います。ここには上腕から尺骨神経とよばれる神経が指先に向かって通っており、主に手の小指側の動きや近くを司っています。肘部管症候群とは、この肘部管において尺骨神経が圧迫されたり、引っ張られたりして障害を受け、細かい手の動きが出来なくなったり、小指や薬指に痺れが出たりします。
どういう原因があるのか?
スポーツや仕事などで、肘を酷使する生活を続けてきた方はなりやすいと言われています。例えば、野球選手、特に投手に多く、ボールを投げることが多く、球種によっては肘を捻るような投げ方をするため、肘に対する負担がかかりやすいと言われています。また、大工など肘の曲げ伸ばしが多い職業などにも多く見られます。そのほかにも、加齢による肘の変形、肘部管にある靭帯やガングリオンでの圧迫など、さまざまな原因によって発症します。さらに、子供の頃に肘を骨折したり脱臼したりした経験がある方は、肘を伸ばした時に外や内側に反ってしまう変形を伴うことがあり、肘部管症候群を発症するリスクになると言われています。
どんな症状があるの?
初期には小指や薬指、小指側の手の側面にピリピリ、チクチクとした痺れを感じ、肘を曲げていると症状が増してくるのが特徴です。また、前腕部に痛みを感じることもあります。ちなみに薬指のしびれは尺骨神経が司る領域の関係で、小指側半分にしか出ません。症状が進むと、指の筋肉が衰え始め、指先の細かい動作が出来なくなってきます。同時に指を開けたり閉じたりといった動きもうまく出来なくなり、水をすくったときに指の間からこぼれてしまったりします。さらに進行して重症化すると、手の筋肉が痩せてしまい、手がかぎ爪のような形に変形したりします。
どういう検査をするの?
症状を見ることである程度の診断をすることはできますが、必要に応じて画像診断を行います。肘の内側を軽くたたいて小指と薬指の一部に痺れが出るかどうかを確認します。肘を曲げた時に痺れが増すかどうか、手の筋肉が萎縮していないかなどの特徴的な症状がみられるかをチェックします。
治療法は?
基本的には保存治療となります。肘にかかる負担を軽減し、安静にすることが重要になります。薬や安静での効果が見られない場合や、変形やガングリオンなどが原因の場合は圧迫の原因を取り除くために手術になることもあります。当院では、鍼灸治療により、筋肉の緊張を和らげ、尺骨神経を刺激する原因を取り除きます。安静にするため、負担を減らしていく為にテーピングなどを行うこともあります。
中高年女性に多い「ヘバーデン結節」とは?指先の痛み・変形の原因と対処法を解説!
2021.03.15
ヘバーデン結節とは?その症状・診断・治療について詳しく解説
ヘバーデン結節とは、指の第一関節(DIP関節)が変形してしまう疾患で、特に中高年の女性に多く見られます。この病気は、イギリスの医師「ウィリアム・へバーデン」によって発見されたため、彼の名前がそのまま病名として使われています。
主に更年期以降の女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化や加齢による軟骨の摩耗、遺伝的な要因などが関与していると考えられています。

どのような症状が現れるのか?
ヘバーデン結節では、以下のような症状が出現します。特に、人差し指から小指にかけての第一関節の腫れ、変形、痛みが主な特徴です。
- 第一関節の腫れ・変形:関節の甲側に骨のような「こぶ」ができ、曲がってしまうことがあります。
- 関節の痛み:ピリピリ、チクチクとした痛みが出たり、物を握ったときにズキンと痛みが走ることもあります。
- 関節の可動域制限:特に「指を伸ばす」動作がしづらくなり、ボタンを留める、文字を書く、つまむなどの細かい動作に支障が出る場合もあります。
- 力が入りにくくなる:包丁で硬いものが切れない、ペットボトルの蓋が開けられないなど、日常生活にも支障が出てきます。
- 赤みや熱感を伴うこともある:関節周囲に炎症が起こっている場合、発赤・熱感・腫脹などが見られます。
- 水ぶくれのような嚢胞(ガングリオン):関節の甲側にミューカスシストと呼ばれる半透明の嚢胞ができることもあります。
どのような検査で診断されるのか?
診察では、視診・触診に加えてレントゲン検査が行われます。レントゲンでは、以下のような所見が見られます:
- 関節の隙間の狭小化(軟骨がすり減っている)
- 骨棘(こつきょく)と呼ばれる、骨がトゲのように突き出している像
- 骨の変形や関節面の不整
また、関節リウマチとの鑑別も重要です。関節リウマチは通常、**手の第二関節(PIP)や第三関節(MP)**に炎症を起こし、朝のこわばりや全身倦怠感、左右対称性の腫れなどが特徴です。一方で、ヘバーデン結節は主に第一関節に限定され、リウマチとは異なり骨の増殖が見られます。血液検査で「リウマチ因子(RF)」や「抗CCP抗体」などを調べることで鑑別することもあります。
どのような治療があるのか?
治療の基本は**保存療法(手術をしない治療)**です。痛みや腫れを抑えながら、生活に支障が出ないようサポートしていきます。
保存療法の具体例
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安静・負担軽減
無理に手を使わず、必要に応じてテーピングや**装具(サポーター)**で関節を保護します。
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アイシングや温熱療法
炎症が強い時は冷やし、慢性的な痛みや硬さがある場合は温めて血流改善を図ります。
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軽度のマッサージ・ストレッチ
周囲の筋肉をやわらげ、指の可動域を保つためにマッサージやストレッチも有効です。
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薬物療法
痛みが強い場合には、**消炎鎮痛薬(NSAIDs)**の内服や外用薬を使用します。また、ホルモンバランスの乱れが関与しているとされるため、**漢方薬(当帰芍薬散など)**が処方されることもあります。
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ステロイド注射
炎症がひどく日常生活に支障がある場合には、局所にステロイドを注射することで痛みと腫れを抑えることが可能です。
手術療法
手術は稀ですが、どうしても痛みが強くて握れない、変形が進んで道具が持てないといった場合には、以下のような手術が検討されます。
- 関節固定術:ぐらぐらした関節を固定する
- 骨棘除去術:増殖した骨の突起を取り除く
当院でのアプローチ
整骨院では、炎症期のアイシングやテーピング、関節にかかる負担を軽減するための姿勢調整や筋肉バランスの調整を行っています。また、鍼灸によって自律神経のバランスを整え、炎症の沈静化や痛みの緩和も目指すことができます。
日常生活での指の使い方の見直しや、自宅でできるセルフケア、ストレッチ法なども丁寧にご指導します。
まとめ
ヘバーデン結節は、初期のうちに対策することで進行を抑えることが可能です。痛みや変形があるからといって諦めず、適切なケアと予防を行いましょう。早期発見・早期対応が鍵です。
「もしかして…」と感じた方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの手の健康を守るため、全力でサポートいたします。
実際にヘバーデン結節と向き合った患者さんの体験談
60代 女性 / 主婦 / 初診時の主訴:指先の痛みと変形
数年前から「なんだか指先が痛むな」と感じることがありました。最初は包丁を握る時や、ふきんを絞るときに「少し違和感がある」程度だったのですが、次第に人差し指と中指の第一関節が赤く腫れ始め、関節の上にポコッと小さな“こぶ”のようなものができてきました。
ちょうど更年期にさしかかった頃で、ホルモンバランスの影響もあるのかな?と思いながらも放っておいたら、段々と指を伸ばすのも痛くなってきて…。
病院でレントゲンを撮ってもらったところ、「ヘバーデン結節ですね」と言われました。リウマチではないと聞いて安心はしましたが、正直、変形が元に戻らないと知ってショックでした。
その後、整形外科に通いながら整骨院にもお世話になり、アイシングやテーピング、簡単な指のストレッチなども教えてもらいました。特に整骨院での軽いマッサージや鍼灸治療がとても心地よく、炎症が落ち着いてからは、だいぶ握りやすくなりました。
今では痛みはほとんどなく、家事も問題なくできています。なにより、先生が「痛みがあるうちは無理をしないこと」と言ってくれたことで、気持ち的にも楽になりました。
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シンスプリントについて
2021.03.15
運動をしている方は聞いたことのある言葉かもしれません。当院では、激しい運動を行う中高生に多く見られています。陸上やサッカー、テニス、バスケットなど、急発進や急ブレーキを行う競技に多く見られます。
シンスプリントって何?
主にスポーツによる繰り返しかかる負担によって生じるすねの内側に起こる痛みを伴うもので、脛骨過労性骨膜炎と呼ばれることもあります。すねの骨に繋がっている骨膜への過剰な負担、ヒラメ筋などの付着部などに起こります。症状としては、主にすねの前方内側に鈍くズキズキする痛みが生じ、初期は運動し始めの痛みが多く、ひどくなると運動の後半、安静時にもズキズキとした痛みが現れることもあります。また、多くの場合は押すと痛みが強くなったり、腫れや熱感を伴う事もあります。
なんでシンスプリントになるの?
急発進や急ブレーキ、ダッシュとストップを繰り返すことで、すねの骨についている筋肉が繰り返し収縮することで付着部の骨膜が引っ張られることでストレスがかかり発症します。骨の表面にある骨膜という部分に炎症やダメージを与えてしまうのです。シンスプリントになりやすい原因として挙げられるものは、①扁平足②下半身の筋力低下③筋肉の柔軟性の低下④フォームがくずれている⑤下り坂を走る⑥下腿路面でのランニング⑦靴が合っていない(靴底が歪んだ形ですり減っている)⑧肥満、最近太った、などがあります。
よく間違われる疲労骨折との違い
シンスプリントは筋肉の炎症なので、初期の段階ではレントゲンに異常はありません。レントゲンに異常が写っているという事は、すでに悪化して骨にも異常をきたしている証拠です。疲労骨折との鑑別診断に有効な検査としてMRIが挙げられます。肥厚した変化が大きいか小さいかが区別の目安となります。
どのような治療がありますか?
シンスプリントの治療法は、オーバーユースで起こる障害ですので、基本的には安静にすることなどの保存療法が選択されます。症状の悪化を防ぐために運動量を減らす、熱を持ったときのアイシング、ストレスがかかっている筋肉の緊張緩和のためにストレッチやマッサージ、筋トレ、クッション性の高いシューズを履く、柔らかい地面での練習(芝生や土など)が挙げられます。当院では、負担がかかっている筋肉へ直接鍼灸治療を行い筋緊張を緩和する、炎症を鎮める為に超音波治療、新たに負担がかかってしまわないようにテーピング療法などを行っています。姿勢の歪みや走るフォームの改善など、早期改善、再発予防のためのリハビリも一緒に行っております。
テニス肘について
2021.02.28
腕や肘に痛みが出る「テニス肘」ですが、テニスをしていないのにテニス肘になることがあります。物を持つ動作やタオルを絞る動きで、肘の外側から腕にかけて痛みが出ることがあります。中年以降のテニス愛好家に多いためにこのように呼ばれますが、一般的には年齢のために腱が傷んで起こることが多くあります。
テニス肘ってどんなの?
手首を手の甲側に起こす筋肉や握る時に使われる筋肉の多くは、外側上顆という部分(肘の外側の骨)に集中してついていることが多いです。その骨と腱の結合部分がもろくなり、傷んで炎症が起きる事で痛みが現れます。
原因はなに?
手首を繰り返し使う、重い物を持ち上げる、喫煙などの方に起こりやすいと言われています。しかし、パソコン操作などの強い力でなくても、長時間手首や指を使うことでもテニス肘になる原因となる場合があります。そもそも病名としてもテニスという言葉がついているように、テニスをされたい方にも多くみられます。スポーツの現場ではボウリングなどの手首や指に負担がかかることが多いものでも痛みを訴える方がおられます。
診断はどんなものがある?
簡単に行えるものとして、
①トムソンテスト・・・手首を曲げるようにして固定し、患者様にそれに抵抗して手首を甲側に起こしてもらう
②チェアテスト・・・肘を伸ばしたまま手で椅子を持ち上げてもらう
③中指伸展テスト・・・中指を曲げるように固定し、それに抵抗するように指を伸ばしてもらう
上記のテスト法で肘の外側に痛みが誘発される場合は、テニス肘と診断されます。それでも分からない場合は、エコー検査やMRIでの検査が追加されることもあります。また、テニス肘と間違えられるものとして注意すべきなのは、「橈骨神経管症候群」(とうこつしんけいかんしょうこうぐん)です。テニス肘の原因の多くにある筋肉のそばを橈骨神経という神経が通っています。この神経が筋肉や血管で圧迫されるとテニス肘によく似た症状が現れることがあります。
治療方法は?
まずは保存療法が行われます。手首や指のストレッチを行い筋肉や腱、結合部分にかかるストレスを減らします。スポーツや手を多く使う作業を控えて湿布などの外用薬を使用します。痛みがきつい場合には炎症を抑えるステロイド注射を行うことがあります。テニス肘のサポーターやテーピングなどで負担を減らすこともあります。しかし、このような保存療法でも改善されない場合は手術治療を選択されることもあります。